アンチドーピングについて
  • はじめに
  • ドーピングとは
  • 何故ドーピングはいけないのか
  • ドーピング違反になると…
  • 18際未満の参加選手のドーピング検査について
  • うっかりドーピング
  • ドーピングに関する薬の知識
  • 治療使用特例(TUE)
  • 薬で分からないことがあるときは
  • ドーピング通報窓口について
  • 関連リンク
はじめに
2016年リオ・オリンピックからゴルフが実施競技として復活し、今後国民スポーツとしての関心が高まる中、トップアスリート、それを目指す皆さんはいつどこでドーピング検査を受けることになるか分かりません。オリンピックをはじめスポーツにおけるフェアプレーの具体的なかたちのひとつが「アンチ・ドーピング」にほかなりません。アスリートの皆さんにおいては、アンチ・ドーピングについて正しく理解し、常に最新の情報を得ることが重要です。
ドーピングとは
競技力を高めるために、禁止されている物質や方法を使用したり、それらの使用を隠したりする行為。
何故ドーピングはいけないのか
主にドーピングを禁止する理由は、4つあげられます。
  1. 1.スポーツの価値を損なう
  2. 2.フェアプレーの精神に反する
  3. 3.アスリートの健康を害する
  4. 4.反社会的な行為である
ドーピング違反になると…
検査において「陽性」結果となると、世界アンチ・ドーピング規程並びに日本アンチ・ドーピング規程に則り、成績抹消や各団体(男女ツアー・各地区ゴルフ連盟・学連・高ゴ連・パブリック協会・新聞社など)が主催する競技への参加資格停止とJGA主催競技においては、日本アンチ・ドーピング規程により原則2年または4年間の参加資格停止処分となり、同時に競技者の氏名が公表されます。
●資格停止期間中は、ゴルフに関する他の活動(合宿参加・講演・指導など)もできません。
18歳未満で参加する選手の「競技者親権者同意書」及びドーピング検査について
検査対象競技の大会初日に18歳未満で参加する選手は「競技者親権者同意書」フォームをJADA Webサイト(https://www.playtruejapan.org/jada/u18.html)より入手し、親権者の署名済みの同意書を大会に携行してください。
検査の対象となった18歳未満の競技者は、親権者の署名済みの同意書を検査員に提出してください。なお、親権者の同意書の提出は18歳未満時に1回のみで、同意書の提出後に再びドーピング検査の対象となった場合は「すでに提出済みであること」をドーピング検査時に申し出てください。
ドーピング検査会場において親権者の同意書の提出ができなかった場合、検査後7日以内にJADA事務局へ郵送にて必ず提出しなければなりません。

《提出先》
〒112-0002 東京都文京区小石川1-12-14 日本生命小石川ビル4階
(公財)日本アンチ・ドーピング機構 検査部

親権者の同意書の提出がなかった場合、ドーピング・コントロール手続きに一切影響がないものとします。
検査対象となった18歳未満の選手は、検査の際に成人の同伴者1名(監督・コーチ・家族など)と一緒にドーピング・コントロール検査室に行くようにしてください。
うっかりドーピング
日常生活で使う薬や薬局で買える薬、健康食品やサプリメントの中に禁止物質を含むものがあり、その中でも風邪薬による「うっかり」違反が多いとされています。よくある違反で、治療目的であっても禁止物質の入った薬を使用するとアンチ・ドーピング違反になります。
病院で治療を受ける際や薬局で医薬品を購入する場合には、自分がアスリートであり「ドーピング検査の対象となる可能性があること」「禁止薬物が含まれていない薬を処方してもらうこと」をアンチ・ドーピングに詳しい医師や薬剤師に伝えておくことが必要です。
ドーピングに関する薬の知識

1. 風邪薬(市販の総合感冒薬・鼻炎薬)

風邪を治す薬はない
風邪の原因を取り除く薬はありません。風邪薬を使うのは、発熱、咳、たん、のどの痛み、だるさ、などの症状を楽にするためです。症状を楽にしても無理に身体を動かすことは回復を遅らせるだけです。
風邪を早く治すには、栄養を良くとって暖かく安静にして、体力を温存することです。
総合感冒薬には禁止物質が含まれることが多い
総合感冒薬には十分注意しましょう。禁止物質であるエフェドリンなどを含むことが多いからです。薬の外箱で成分をチェックしましょう。メチルエフェドリン、エフェドリン、麻黄(マオウ)などは禁止成分です。
鼻炎の薬にも要注意
総合感冒薬と同じく要注意です。禁止物質であるエフェドリンなどが含まれることが多く、花粉症などの症状が強い時には注意書きの量以上に飲んでしまう危険もあります。鼻炎スプレーも成分をチェックする必要があります。
カフェイン
カフェインは2004年より禁止物質からモニタリング物質に変更となり禁止されません。

2. 漢方薬

漢方薬にはたくさんの複雑な成分が含まれている
漢方薬も「薬」です。その成分は大変複雑で、1つ1つの成分を調べることも困難です。漢方薬にも明らかに禁止物質を含むものがあり、麻黄(マオウ)、ホミカ(ストリキニーネを含む)はその代表です。
漢方薬は生薬を使うので、名前が同じでも製造会社、原料の産地、収穫の時期などで成分が違うことがあります。成分が全部記載されていないとチェックできない上に、成分の含有量が一定していないのが普通です。
漢方薬も、アンチ・ドーピングに詳しい医師に相談し、成分のはっきりしないものは使用を避けた方がいいでしょう。

3. 花粉症薬

糖質コルチコイドの注射や内服薬は、競技会検査ではアンチ・ドーピング規則違反ですが、点眼薬・点鼻薬については、TUE申請なしで使用することができます。内服薬や点鼻薬に禁止物質が含まれていることが多いので、成分を確認しましょう。

4. ぜんそくの薬

ぜんそくの薬には禁止物質が多く注意が必要です。使用できる薬剤の種類に注意し、TUE申請が必要になる薬が多いので、ぜんそくの方は必ずアンチ・ドーピングに詳しい医師に早めに相談してください。

5. 静脈内注射

医療機関の受診、外科手術、臨床検査における正当な医療行為としての静脈注射は禁止されていませんが、それ以外の静脈注射は禁止されています。

6. ゴルフ競技において禁止される特定物質 → ベータ遮断薬

ベータ遮断薬は、交感神経を抑制し心拍数や血圧を低下させ、不安解消や「あがり」防止、あるいは心身の動揺を少なくする目的で使われ、ゴルフ競技では競技会時(ICT)に禁止されています。また、国際ゴルフ連盟(IGF)の指示がある場合には、競技会外時(OOCT)においても禁止されることがあります。

7. サプリメント

サプリメントには、かなり危ない物が多い
サプリメントの基本は「栄養補助食品」です。薬と違うのは、製造、販売等の規制が厳しくない点です。
エフェドリン、蛋白同化薬などの禁止物質を含むサプリメントが出回っていることも事実です。
成分表示が信頼できるものであれば問題ありませんが、実際、表示されていない禁止物質が混入されている商品もあり、注意が必要です。
このような禁止物質の混入は、単なる製造過程のミスというだけでなく、サプリメントの評判を上げるために、意図的に行われていることもあるようです。
海外では、ラベルに表示しないまま不正に興奮薬やステロイドなどの医薬品成分を添加したサプリメント製品が多数流通し、そのような製品による“陽性”も毎年報告されています。国内・海外問わず、成分不明のサプリメントの使用は避けましょう。
信頼できないサプリメントは、絶対に口にしない
サプリメントの服用は自己責任です。「これは安全」と保証することは大変難しいからです。
信頼できないサプリメントは絶対に口にしないことです。成分の分からないものを人に勧めることも大変に危険です。
必要がなければサプリメントには頼らない、サプリメントを取るときも原料、成分が確認できるものしか取らない、という大原則を守ってください。

8. 治療薬

治療に使った薬は記録に残すように
医療機関を受診するときは「アスリートなのでドーピング禁止物質を処方しないでほしい」ことを伝えましょう。
治療を受けたときに使われた薬が分かるようにしてください。
普段持っている治療薬は、必ず正確な薬物名、用法、用量のメモを持ち、説明書きがあれば、一緒に持っておきます。特に症状があるときだけ飲む薬(頓用薬)は、飲んだときに日付と用量をメモしておきます。
薬については、禁止物質について知識のある医師のチェックを受けるようにしてください。
治療使用特例(TUE)
禁止物質や禁止方法であっても、事前に所定の手続きによってTUEが認められれば、例外的に使用することができます。ただ、TUEが承認されていなければ、医療上の理由でも禁止物質・禁止方法を使用することはできません。もし、使用してしまうと「アンチ・ドーピング規則違反」と判断されることがあるので、下記4つの「承認条件」を確認したうえで、十分注意して手続きを行ってください。手続きについては、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)のWebサイト(http://www.realchampion.jp/process/tue)を参照してください。原則としてTUEが必要な大会の30日前までにJADAの窓口に申請する必要があることも、覚えておいてください。
① 治療をする上で、使用しないと健康に重大な影響を及ぼすことが予想される。
② 使用しても、健康を取り戻す以上に競技力を向上させる効果を生まない。
③ 他に代えられる合理的な治療方法がない。
④ ドーピングの副作用に対する治療ではない。
薬で分からないことがあるときは
中身が分からない薬は、絶対に飲まない
成分の分からない薬は、サプリメント以上に危険です。知識のある医師のチェックなしに「……に効く」といって渡されたような薬を飲んではいけません。
市販の薬は、必ず外箱に「成分表示」がされていて、中に「説明書」が入っています。これらは捨てないで薬と一緒に持っていてください。
わからなければ必ずドーピング禁止物質に知識のある医師に確認したり、スポーツファーマシストに相談してください。確認のできない薬は、もちろん飲んではいけません。
[スポーツファーマシスト]

公認スポーツファーマシストはJADAに認定された薬剤師で、最新のアンチ・ドーピングに関するルールについて、正確な情報や知識を持っています。スポーツファーマシストの資格を持つ薬剤師は全国におり、スポーツファーマシストに関するホームページで身近な薬局にスポーツファーマシストの資格を持つ薬剤師がいるかを検索できます。

[スポーツファーマシストに関する検索ページ]
https://www3.playtruejapan.org/sports-pharmacist/search.php

ドーピング通報窓口について
独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)では、アンチ・ドーピング規則違反行為に関する情報を受け付けています。
詳細はこちらから
関連リンク
世界アンチ・ドーピング機構(WADA) http://www.wada-ama.org/en/
日本アンチ・ドーピング機構(JADA) http://www.playtruejapan.org/
公益財団法人日本スポーツ協会ドーピングについて http://www.japan-sports.or.jp/doping/index.html
スポーツファーマシスト https://www.sp.playtruejapan.org/
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