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1. 風邪薬(市販の総合感冒薬・鼻炎薬) |
風邪を治す薬はない |
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風邪の原因を取り除く薬はありません。風邪薬を使うのは、発熱、咳、たん、のどの痛み、だるさ、などの症状を楽にするためです。症状を楽にしても無理に身体を動かすことは回復を遅らせるだけです。
風邪を早く治すには、栄養を良くとって暖かく安静にして、体力を温存することです。 |
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総合感冒薬には禁止物質が含まれることが多い |
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総合感冒薬には十分注意しましょう。禁止物質であるエフェドリンなどを含むことが多いからです。薬の外箱で成分をチェックしましょう。メチルエフェドリン、エフェドリン、麻黄(マオウ)などは禁止成分です。 |
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鼻炎の薬にも要注意 |
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総合感冒薬と同じく要注意です。禁止物質であるエフェドリンなどが含まれることが多く、花粉症などの症状が強い時には注意書きの量以上に飲んでしまう危険もあります。鼻炎スプレーも成分をチェックする必要があります。 |
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カフェイン |
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カフェインは2004年より禁止物質からモニタリング物質に変更となり禁止されません。 |
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2. 漢方薬 |
漢方薬にはたくさんの複雑な成分が含まれている |
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漢方薬も「薬」です。その成分は大変複雑で、1つ1つの成分を調べることも困難です。漢方薬にも明らかに禁止物質を含むものがあり、麻黄(マオウ)、ホミカ(ストリキニーネを含む)はその代表です。 |
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漢方薬は生薬を使うので、名前が同じでも製造会社、原料の産地、収穫の時期などで成分が違うことがあります。成分が全部記載されていないとチェックできない上に、成分の含有量が一定していないのが普通です。 |
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漢方薬も、アンチ・ドーピングに詳しい医師に相談し、成分のはっきりしないものは使用を避けた方がいいでしょう。 |
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3. 花粉症薬 |
糖質コルチコイドの注射や内服薬は、競技会検査ではアンチ・ドーピング規則違反ですが、点眼薬・点鼻薬については、TUE申請なしで使用することができます。内服薬や点鼻薬に禁止物質が含まれていることが多いので、成分を確認しましょう。 |
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4. ぜんそくの薬 |
ぜんそくの薬には禁止物質が多く注意が必要です。使用できる薬剤の種類に注意し、TUE申請が必要になる薬が多いので、ぜんそくの方は必ずアンチ・ドーピングに詳しい医師に早めに相談してください。 |
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5. 静脈内注射 |
医療機関の受診、外科手術、臨床検査における正当な医療行為としての静脈注射は禁止されていませんが、それ以外の静脈注射は禁止されています。 |
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6. ゴルフ競技において禁止される特定物質 → ベータ遮断薬 |
ベータ遮断薬は、交感神経を抑制し心拍数や血圧を低下させ、不安解消や「あがり」防止、あるいは心身の動揺を少なくする目的で使われ、ゴルフ競技では競技会時(ICT)に禁止されています。また、国際ゴルフ連盟(IGF)の指示がある場合には、競技会外時(OOCT)においても禁止されることがあります。 |
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7. サプリメント |
サプリメントには、かなり危ない物が多い |
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サプリメントの基本は「栄養補助食品」です。薬と違うのは、製造、販売等の規制が厳しくない点です。 |
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エフェドリン、蛋白同化薬などの禁止物質を含むサプリメントが出回っていることも事実です。 |
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成分表示が信頼できるものであれば問題ありませんが、実際、表示されていない禁止物質が混入されている商品もあり、注意が必要です。 |
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このような禁止物質の混入は、単なる製造過程のミスというだけでなく、サプリメントの評判を上げるために、意図的に行われていることもあるようです。 |
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海外では、ラベルに表示しないまま不正に興奮薬やステロイドなどの医薬品成分を添加したサプリメント製品が多数流通し、そのような製品による“陽性”も毎年報告されています。国内・海外問わず、成分不明のサプリメントの使用は避けましょう。 |
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信頼できないサプリメントは、絶対に口にしない |
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サプリメントの服用は自己責任です。「これは安全」と保証することは大変難しいからです。 |
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信頼できないサプリメントは絶対に口にしないことです。成分の分からないものを人に勧めることも大変に危険です。 |
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必要がなければサプリメントには頼らない、サプリメントを取るときも原料、成分が確認できるものしか取らない、という大原則を守ってください。 |
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8. 治療薬 |
治療に使った薬は記録に残すように |
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医療機関を受診するときは「アスリートなのでドーピング禁止物質を処方しないでほしい」ことを伝えましょう。 |
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治療を受けたときに使われた薬が分かるようにしてください。 |
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普段持っている治療薬は、必ず正確な薬物名、用法、用量のメモを持ち、説明書きがあれば、一緒に持っておきます。特に症状があるときだけ飲む薬(頓用薬)は、飲んだときに日付と用量をメモしておきます。 |
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薬については、禁止物質について知識のある医師のチェックを受けるようにしてください。 |
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