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【深い闇に戸惑う松原】 |
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「下手過ぎました…」第2ラウンドを終えた松原由美の第一声は、消え入りそうだった。
スタートの12番から松原の苦難の道が始まった。このホールで3パットのミスからボギーを叩くと、13番(パー5)ではティーショットをグリーン手前の池に打ち込み、ダブルボギー。15番でもティーショットを左にミスして2打目、3打目と木に当ててしまい、またもダブルボギー。17番でも3メートルを決めきれずボギーとしてしまう。
こうなると負の連鎖を止められる気力は、今の松原に残っていなかったのかもしれない。
2番で1メートルを外したのを皮切りに5番まで4連続ボギーを喫すると、7番でも2メートルのパーパットが入
らず、天を仰ぐ。9番(パー5)でようやくバーディを奪ったが、これが第2ラウンドで最初で最後のバーディに終わってしまった。10番(パー5)では、ティーショットを左にミスすると、2打目はフェアウェイに出すだけ。残り220ヤードの3番ウッドで放った3打目は左の池に消えていった。松原は10番で4ストロークスコアを落として、この日は14オーバーパー、86とまさかの大崩れに終わった。
ショットは左右に散り、ショートパットが決まらない。「なんかもう…ボギーが止まらない。ドライバーショットが曲がるので、3番ウッドでティーショットを打ったり、出来るだけの工夫をしたつもりですが、風も強くなってきて…裏目に出てしまった」と話す松原の目は、虚ろだった。
松原は大きくスコアを落としたが、この日の日本チームは2位タイに順位を上げて、明日の最終ラウンドに逆転優勝の望みをつないだ。その原動力になれなかったことが何よりも悔しく、自分が許せなかった。
「バーディも獲れずにペースをつかむことが出来ない…練習場では良いショットが打てるのに、コースに出たら、ちょっと悪かったら、何故なんだろうと考え過ぎてしまって…うまく気持ちを切り替えられなかった」と話す松原がはまった闇は、深い。底見えぬ闇に慄き、とまどいながらも、「明日は1打1打最善を尽くすだけです」とけなげに話す松原を支えているのは、チームへの責任感なのだろう。
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