今年の全米女子アマチュアゴルフ選手権でベスト4に名乗りを挙げたのが、中学3年生の笹生優花。日本にはあまり報じられることがなかったので、その名前を知らないという人が多いかもしれない。日本人の父親、フィリピン人の母親との間に日本で生まれ、小学校からはフィリピンのアメリカンスクールに通っている。家族は日本にいて、本人だけがフィリピンで生活している。そんな生活になったのは、笹生が本格的にゴルフに取り組むようになったからだ。
「母の実家の近くにゴルフ場があり、父親が、そのゴルフ場のメンバーになっていたと聞いています。自分がゴルフを始めたときに、“それだったら、フィリピンにいった方が(ゴルフ)環境がいい
”と父親に勧められたのです。そのコースなら、メンバーの家族は保険の100円ほどを払うだけでプレーできるので経済的にも親への負担が少ないし、フィリピンには、母方の祖父母がいるのでそこから学校にも通えるから安心です」。
9歳でゴルフを始め、1年間はティーチングプロについて基本を身につけた。その後は、しばらく独習して腕を磨いてきたが、ことしからまた同じコーチのもとで練習するようになった。「スウィングをチェックしてもらうようになって、ショット精度もアップしました」。その成果が、全米女子アマ初出場につながった。「でも、予選(クォリファイングラウンド)で跳ね返されてマッチプレーには進めないかも…と思っていました」(笹生)。成長は、本人が考えているよりもはるかに高いレベルまで笹生を押し上げていたようで予選を突破したばかりか、マッチプレーでもセミファイナルにまで勝ち上がり、ベスト4入りを果した。164センチ、58キロの筋肉質のアスリート体型から、ドライバーショットは平均270ヤードを叩きだす。全米女子アマの活躍で、米国のゴルフ強豪大学の数校からの誘いが早くも父親のもとに届いているという。
第1ラウンドは1番からのスタートで8、9番と連続ボギーを先行させたが、後半にターンして10、11番と連続バーディでイーブンパーに戻すと、13番からは3連続バーディで全米女子アマベスト4の実力を見せつけた。最終18番で第2打、第3打を木に当ててダブルボギーにしたのは悔やまれるが、実力者と認知させるのに十分な好スタートを切った。
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