[ 第2日 ]競技報告:塩原義雄 写真:Y.Watanabe
1オーバーパーからスタートした藤本愛奈の第2ラウンド。前半の10番からの9ホールは1ボギーだけで大きな動きはなかった。
一変したのは後半の1番にターンしてからだった。1番(パー5)は第3打を50センチにつけ、続く2番(パー4)ではチップインで連続バーディを奪ってスコアをイーブンパーに戻した。3番をボギーとしたのち、続く2ホールでパーを並べた後の6番ホールでイーグルを奪う。ラフからピンまで130ヤードの第2打。ピッチングウェッジでのショットが2バウンドしてカップに飛び込んだ。打ち上げだったためカップインは確認できていなかった。しかし、ボールがピンに当たる音は聞こえたという。
「いいショットだったから、ピンに当たってカップ縁に止まってくれたかな…と思っていたんですけど、いってみたらカップ周辺にボールは見えず、カップの中に入っていました。ラッキーですよね」。
幸運は、まだ続いた。最終ホールとなった9番(パー4)である。第2打は、グリーン手前にある木の枝に当たった。直撃ではなかったが、ボールの勢いは殺された。それがよかったのか、ボールはグリーンに落ち、ピンから3メートルに寄っていたのだ。藤本は後半だけで4つとスコアを伸ばし、通算2アンダーパーでホールアウトとなった。
沖学園高校の2年生。昨年の本選手権は「予選を通過しただけで、上位でプレーすることはできませんでした。今年は、“なんとか最終日を上位で戦える展開にしたい”と思って大会に臨みました。まさかこんなに派手なゴルフでそこに手が届きそうになるなんて思っていませんでしたけど、”ツキも実力のうち“と自分を甘えさせて、楽しくプレーしたいと思います。まだツキは残っているんだと信じて、後半の2日間を戦っていきます」。
勢いに乗った若い力は、予想外のことをやってのけそうな気配を漂わせている。