[ 第2日 ]競技報告:塩原義雄 写真:Y. Kawatani
第1ラウンドに首位タイ発進した佐々木史奈は同志社大学の2回生。本選手権には、大学の授業の関係で練習ラウンドができず初めてのコースでぶっつけ本番となってしまった。
松林に囲まれたコースは、実際上に狭く感じるホールが多い。それでも、ショットメーカーを自認する佐々木は得意とするショットで攻めるゴルフに活路を見出そうとしていた。ところが、いざフタを開けると、頼みのショットが「曲がり倒した」という。戸惑いを救ってくれたのは、苦手だというパッティングだった。
「だから不思議な第1ラウンドのゴルフだったんです」。第2ラウンドは、本来の自分のゴルフを取り戻せるだろうと臨んだのだが、やっぱりショットは不安定で10番からスタートしてほとんどフェアウェイを歩けないまま、10、12番とボギーを先行させた。この時の心境は「きょうはナンボ打つんやろう」だったという。
「16番ホールで、やっとちゃんとしたバーディをとれたのですが、17番では苦手のパッティングで3パットして逆バウンスバックをやってしまいました。後半は気持ちを切り替えて、ショットが悪いなりのゴルフをしていくしかないと、吹っ切りました」
163センチの筋肉質の体型で得意はドライバーとアイアン。平均飛距離は250ヤードを超える。それをフルスウィングせずにトップをコンパクトにしてコントロール重視に切り替えたのが、良策だった。1番(パー5)は、1、2打ともコントロールしたショットを続けて第2打でグリーンのカラーまで運んだ。そこから2パットのバーディ。「あれ、振り回さなくても届くんだというのがわかって、ちょっと余裕も生まれました。ということは、他のホールでもマン振りせずにコントロールしていけば…と、第2ラウンドの中盤過ぎになって、ようやくコースの特長がつかめてきて、今大会キャディーをしてくれている1学年上の先輩にも、“なんか本当の攻略法が見えてきたようやな”と言われました」。
「5番(パー5)は第2打を5番ウッドでレイアップして残り40ヤードからうまく寄せることができました。昨日の18ホール、そして今日の前半9ホールの計27ホールは、本当に“何をやっているんだか……”って感じで、自分本来のゴルフとは真逆のプレーになっていましたが、ぶっつけ本番からなんとか自分のゴルフを取り戻せました。こうなったら、上位でのプレーを楽しみたいと思います」今年の関西学生女子連盟杯に続いての優勝を目指す戦いが佐々木の中でようやく始まろうとしている。