[ 第3日 ]競技報告:塩原義雄 写真:Y.Watanabe / Y. Kawatani
第3ラウンドの最終組でプレーをしたトップグループの3選手。その中で藤本愛菜が、ひとりだけアンダーパー(71)をマークして首位タイとなって最終ラウンドを迎えることになった。唯一のトラブルホールとなったのは、9番だった。ティーイングエリアの右前に松の枝が張り出している。藤本はドローボールヒッターなので、この枝が気になるところではある。
「ここは、低いフェードボールで確実にフェアウェイに打ち出そう」と、枝の左からの弾道のショットを狙ったのだが、意に反して右に飛び出して枝に当たってしまった。ボールは、真下に落下して、わずか50ヤードほど飛んだに過ぎなかった。そして止まったところは根っこの近くだった。なんとか脱出を図りはしたのだが、「根っこに当たるかもしれない」という不安が的中して、今度もまた50ヤードほど進んだだけで、しかも林の中に転がり込んでいた。第4打は、ようやくフェアウェイに打ち出せたが、今度は芝生の薄い状況が待ち受けていた。寄せきれずにダブルボギーとなってしまった。
藤本は、結果に対しては楽天的にとらえるタイプだと自己分析している。「ちょっと松に虐められましたけど、前半だったので“まだ取り返せる”と、気持ちが折れそうになることもなく、逆に闘志がわきました」ということで、後半にターンしてすぐに10、11番と連続バーディを決め、さらに13番(パー3)でも2段グリーンの下からの3.5メートルをねじこんだ。この3バーディで71をマークすることになり、スコアを落とした同組の飯島、外園と並び首位タイでのホールアウトとなった。
「ゴルフをしていれば、いいことも悪いこともあります。どちらかだけが続くこともないと、私は思っているので、大喜びすることも、落ち込むこともありません」。それが、自分のゴルフスタイルになっているという。