ゴルフ発祥地であるスコットランド。そこでゴルフを楽しんだ人々は、その魅力を諸外国に広めた。今年、100周年を迎えた日本も例外ではない。日本初のゴルフ場も英国人の手によって誕生したのである。
1901年(明治34年)、神戸・六甲山に4ホールのゴルフ場を開場した「日本ゴルフの開祖」と呼ばれる英国人のアーサー・ヘスケス・グルーム。この名前は今年、幾度となく耳にしている人も多いだろう。
だが、もう一人、日本のゴルフの発展に力を注いだ英国人がいる。その名前は、ウィリアム・ジョン・ロビンソン。グルームよりも6歳若く、来日して神戸で貿易業をしていたロビンソンは、無類のゴルフ好きで、神戸GCの創立時には喜んでグルームに協力したという。
そんな彼が、どうしても許せなかったこと。それは、神戸GCが12月から3月までの4カ月間、冬季期間中にクローズすることだった。そこで、なんとか一年を通してプレーしたいと、ほとんど一人の力でつくったのが、日本で2番目のゴルフ場「横屋ゴルフ・アソシエーション」なのである。
1904年(明治37年)、この横屋コースは6ホールでオープンした。ロビンソンは、コース建設の際からコース近所の農家・福井藤太郎に、今でいうグリーンキーパーの仕事をさせていた。また、オープンすると、この福井宅の座敷がクラブハウス代わりとなった。とはいえ、メンバーの大半は外国人。靴を履いたまま畳に上がってしまい、注意しようにも英語が話せなかった福井は諦めて、そのままにしてしまったというエピソードが残っている。 |