2003 JANUARY vol.72
 1日目、晴れて風弱く、気温23度の好コンディション。トップに立ったのは佐藤信人。ボギーなしの62という日本オープン史上最少ストローク新記録(従来は尾崎将司が記録した64)を出した。1番で2メートルを沈めると4番まで連続バーディ。13番からは3連続、最終18番も3メートルを決めての62。「あれこれ考えず、このくらいかな……で打ち、無理に入れようなんて思わないのがよかった。明日からは痛い目に合うだろうけど我慢してプレーしたい」と涼しい顔。この佐藤に続いて、8月の「山口オープン」で65のレコードを作った藤池昇龍と金鍾徳が5アンダー65で2位タイ。姉で女子プロの藤島妃呂子をキャディに登用した東北福祉大3年の藤島豊和、宮里兄妹の長男・宮里聖志と細川和彦が4アンダーパーで4位タイ。尾崎将司は68で8位タイ、中嶋常幸は69で12位タイと24人がアンダーパーでコースを攻略。
 2日目、曇り空で気温22度。初日トップの佐藤はショットに安定さを欠き、たびたびバンカーに打ち込むなど、5バーディを奪いながらスコアは1オーバーパー71。上位陣のスコアが大きく伸びなかったことから、2位に1打差の7アンダーパー133で首位を守った。2位に金。5月の日本プロ選手権以来、試合に出るのは2試合目で、この秋から栃木県のコースの支配人になったばかりという佐藤英之が67で回ってトップと3打差の3位に浮上し、注目を集めた。4位には来日10年目で未勝利のデービッド・スメイル(ニュージーランド)と深堀圭一郎が3アンダーパー137で並び、尾崎将司は9位でアマチュアの藤島豊和らと同じ139。尾崎直道は中嶋らと並んで19位。通算6オーバーパー146(60位)までの66人でカットされ、前年優勝の手嶋多一は150で予選落ちした。

 3日目、雨で気温も20度を下回った。2日間トップを守ってきた佐藤信人は16番で3メートルを沈めるバーディはあったが、8番、12番、17番でグリーンを外してボギーを打ち72。首位の座を追われて3位に後退した。代わってトップに立ったのはスメイルと金の2人。スメイルは2番、8番、9番、12番がバーディでボギーは17番だけの3アンダーパー67。金は3番から3連続ボギーはあったが、1番、13番、18番でバーディを奪って72。ともに通算6アンダーの204。4位に今野康晴があがり、この日のベストスコア66を出したディーン・ウィルソン(アメリカ)が前日の37位から10位タイに浮上。尾崎将司、尾崎直道は211で13位タイ。アマチュアでは藤島豊和が210で10位タイ。2年連続のローアマチュアを狙う宮里優作は69で回って212の16位まで上がってきた。中嶋は72で26位タイまで下がった。
 最終日、曇り時々雨。前日トップに立った2人のうち金はボギー先行の2バーディ、3ボギーの71。これに対しスメイルは1番をボギーとしたが、3番、5番、6番でバーディを奪いアウト9ホールを終わって2位の金、中川勝弥に2打差をつけた。インに入っても10番、15番でバーディを奪いボギーなしの33。4日間通算9アンダーパー271で2位の金に4打差をつける逃げ切りの日本初優勝。5年シードのビッグタイトルを獲得した。また、アマチュアでは宮里が70で回って13位タイ。藤島は77で36位に後退し、宮里が2年連続のローアマチュアに輝いた。


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