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「ゴルフと私」 |
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下村 真由美 埼玉栄高等学校3年 |
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ゴルフを始めるきっかけは、朝早くゴルフバックを背負い胸を弾ませた様子で家を出て行く父の姿を見て、何がそんなに楽しいのだろう。私もゴルフをして楽しんでみたい、と遊び半分で父の練習についていったのが始まりでした。小学校六年生の時、今まで周りは大人しかゴルフをする人がいなかったので自分は同年代では一番私が上手なのだろうと思っていました。しかし、初めて出場した試合で、最下位に近い順位で屈辱を味わいました。幼い頃からスポーツが好きで、様々なスポーツを経験してきた私は、中学生になったら絶対あいつらを抜いてみせる、と心に誓い友達が楽しそうに遊んでいるのを横目で見ては、練習をしてもっとゴルフが上手くなりたい、と言い聞かせ、中学最後の試合で全国優勝をする事ができました。
埼玉栄高校に入学後、三年間ゴルフ部で団体行動やスポーツ人としての誇り、精神そして感謝という社会に出て大切なことを学び、今では「今日学べ」という校訓は、勉強とゴルフを両立させる私にとって欠かす事のできないものとなりました。「今日できることはその日の内に終らせる」と、いつも心に置いていたことが三年間充実した学校生活を送れた要因なのではないかと思います。
「ゴルフ」というスポーツを通して、私は数え切れない程多くの人々に支えられ、励まされてきました。まだ七年という短い年数ですが、試合に出場する度、一人でプレーすること、良いプレーをすることは決してできないと思います。昔は何も整地されていない土地に穴を掘り、打数を競い合ったそうですが、現在ではコースを管理する人達によって、コース一面に芝がしきつめられ、毎日グリーン上の芝を刈って手入れをして下さっています。当たり前の事かもしれませんが、そういう人達のお陰で毎回私達が気持ち良くプレーできるのです。また私は海外でプレーする機会があったのですが、海外の人々は特に「心の温さ」という、人間が本来人とコミュニケーションを取る上で必要な「思いやり」があるなと思いました。勝負をしていても互いに励まし合ったり、ギャラリーの人達は大きな声援を送ってくれたりと、自分がプレーしていてもっと良いプレーをしたいという意欲が沸いてきました。
ゴルフを通して多くの事を学び、自分の中に吸収していることは、自分でも驚いていますが、自分が人間的に成長する種がゴルフであって本当に良かったと思っています。一見世間からはただの遊びだとゴルフは思われがちですが、タイガーウッズはゴルフのプレーで私達に夢を与えてくれます。人種という壁を乗り越え、ゴルフを知らない人達に大きな希望を与えてくれます。たった彼一人のプレーで何万人、いや何億人の人が感動や喜びを覚えたことでしょう。きっとそれは、遊びや娯楽という領域を超え、「生きる」という人間にとって一番大切な意味を教えてくれているのではないのでしょうか。これから二十一世紀という新時代を生きる人間として、夢や希望、生きる意味を周りの人達、プレーを見てくれる人達へ与えられる人になりたい。そしていつまでもゴルフを通して成長していく自分でありたい、そう願って未来への階段を上って行きたいと思います。これからは今まで以上の感謝の気持ちを忘れずに。 |
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