JAPAN GOLF ASSOCIATION
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JGA ACADEMIC GOLF AWARD
受賞者作文
大学生の部
最優秀賞
川満 陽香理
立命館大学2年
 近年のプロゴルフ界の人気は急上昇しており、若手選手の活躍が目立って発展を牽引している。このブームはゴルフ界全体に波及し、今後も人々の様々な注目や関心を集めると思われる。そんな中で私たち大学生ゴルファーはどのように活動していくのがよいだろうか。

 現在の状況を述べるため、私の所属する立命館大学体育会ゴルフ部の部としての活動を紹介する。平日は週に3回の打撃練習を一般の練習場を使用し、トレーニングは大学のキャンパス内で行っている。部員は集合時間のさらに数十分前に回生毎の集合時間を設定し、監督や先輩方を整列して待ち、1人1人に対して挨拶をする。部活でのラウンド中は常に走り、先頭は組をリードしながら、ピッチマークの修復やディボット埋め等コースの補修を徹底する。生活面では目上の人より先に着席、飲食はしないようにし、常に気配りを心がける。そうして合宿中は特に夜は人より後に寝ながらも、朝は誰よりも早く起きることで、スケジュール通りに動けるよう努める。大まかには以上で、新入部員にはそれらを指導していき、部員一同が行動目標の基礎としている。また毎年その年々の部のテーマというものがあり、今年は「全員勝利」といい個々人が自分自身の目標と真っ直ぐ向き合い、その達成を積み重ねることでゴルフにおいても生活においても勝利しようという考え方である。つまり、ゴルフの技術はある程度個人の活動によって向上を目指すが、部としては生活に直結する社会性を重視し成長していく手段として活動を行うという風に言える。大学生は社会的責任が伴いながら、社会人ではないためあらゆる義務から猶予されている。ゴルフ界においてはジュニア層と社会人層のはざまに位置し、同年代のプロが活躍している一方で、アマチュアあるいは学生ゴルファーであるという明確な線引きのなかにいる。ジュニアの模範となる面と、社会人になる準備として新しい力で社会に進出し活動する面の、両面を持ち合わせる大学生という立場を第一に活動に反映したものと感じる。

 周知のように、ルールブックによるとゴルフは「プレーヤーの1人1人が他のプレーヤーに対しても心配り」をし、規則を守るという「誠実さに頼っている」。それだけでなく「礼儀正しさとスポーツマンシップを常に示しながら洗練されたマナーで立ち振る舞うべき」とし、それをまさにゴルフの精神であると述べている。逆説的に、ゴルファーはそのゴルフの精神を根幹として持ってプレーしてこそ一人前であると言える。

 しかし実際社会では不正による企業倫理の低下や悪質な詐欺などが相次ぎ、不信感を膨らませている世の風潮がある。誠実に接することが難しいこととならないように、意識を堅固にする必要がある。また、若年層の活躍の弊害として、ゴルフ第一で偏った生活になり、学業を二の次にする家庭も少なくない。学ぶことで得ること、見えてくるものはあるが、学ばずには自分を成長させるチャンスを、また多方面からの刺激を受け一般的な知識を身につけるチャンスを逃してしまう。学業とゴルフを両立する意義はここにあるのではないかと考える。このことは、今年度のトピーカップでアメリカの大学生選手と交流した中でも実感できた。話しによると、アメリカの選手はよく勉強するということだった。トップクラスの競技で活躍する選手たちでさえ、ゴルフと学業は同様に自らを成長させアピールしていく手段として捉えており、印象深かった。

 私は来春大学三回生になる。まだ二年残っている大学生活で、新しく社会に進出する存在として、また若い後輩らに背中を追われるような模範となる存在として、今後さらに学びゴルフに励んでいきたい。
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