15歳の春、地元栃木を離れ東北高校に進学しました。まだ冬の名残が消えない仙台に、真新しい制服に袖を通し、期待と不安を胸に抱きながら、校門をくぐったのを思い出します。高校時代を振り返ると。3年間のうち半分以上は、友人、先輩、後輩といった、周りの人たちの活躍をただじっと見ているだけでした。活躍している人を背に、「いつか自分も」という気持ちが膨らむだけで、成績は今一つ。思うような結果が残せないまま刻々と時間は過ぎていきました。焦りからなのか、周りの期待に応えられないことに対し、過剰に意識するようになっていました。それが自分自身への重圧になっていたのかもしれません。
そのしがらみから解放してくれたのは、顧問の先生の言葉でした。きっかけを得たことで、改めてゴルフに対して正面から向き合えたのが、その後のゴルフ人生の原動力になったと今でも感じています。また、言葉には人を動かす力があることを痛感し、より一層、周りの意見や人の言葉を大切にするようになりました。着実に試合で結果を残せるようになった時、心境にも変化があり、いつか私も「憧れられる選手」になりたいと思うようになりました。そして更なる高みを目指すべく東北福祉大学に進学するのです。
大学では、ゴルフを通じて様々な人と交流する機会が増え、人の支えがいかに大切かを、改めて学ぶことができました。なかでも団体戦の試合は、仲間同士支えながら仲間との絆を実感することができます。喜びを共感できる仲間がいることは、このうえない幸せだと感じていました。また、女子ゴルフ部の主将を務めた1年間は、これまで以上に責任感を強く持つようになりました。初めての主将とあって、部をまとめていけるかという不安もあり模索する日々でしたが、そこで支えてくれたのも仲間でした。一人ではできなかったことも、人の支えがあったから、最後までやり遂げることができたのだと痛感しています。主将を務めてから、人間としても大きく成長することができました。貴重な経験ができたことに、とても感謝しています。
そしてこの春、私は大学を卒業します。それは、7年間慣れ親しんだ仙台とも別れを告げるものです。父の影響で4歳からゴルフを始め、高校までは部活動という中でゴルフをしたことがなかった私は、仲間とゴルフをしたいという憧れを抱いていました。高校、大学とレベルの高い環境で揉まれてゴルフができることに、今でも喜びを感じています。何不自由なくゴルフができること、またそのような機会を与えてくれた両親、監督、コーチ、そして携わってくれた方々に感謝しています。当たり前の生活が送れることに、感謝の心を忘れることはありません。
大学生活で培ったものを糧に、ゴルフの楽しさやできる喜びを、多くの人に「与える選手」を目指して精進していきたいと思います。そのためには、人間性の向上を目指し、これまで以上の努力を重ね、今後もゴルフと共に成長しながら、一歩一歩進んでいきたいと思います。
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