ゴルフミュージアムについて
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JGA団旗
ゴルファー団結の象徴ともいうべき「JGA
の団旗」の存在を知るゴルファーは少ない
でしょう。旗の図案は深紅の布地にゴルフ
ボールをくわえた金色の大鵬が勇壮に飛び
立とうとしているもので昭和13年、日本ゴ
ルフ協会の手で作られました。
発案者は日本のゴルフの祖、大谷光明さん
です。大鵬とは想像上の大鳥で、ひと飛び
9万里といわれます。日本のゴルフもそれ
にあやかり大きく発展してもらいたいとい
う夢がかけられています。それもそのはず
その昔、兵士たちは軍旗のもとで戦ったも
のです。当時、この旗のもとに日本の多く
のゴルファーたちが団結し、ゴルフ界を盛
り立ててきました。
この団旗が国民の前に初めて登場したのは
昭和13年の秋。日本体育協会(現・公益財
団法人日本体育協会)の主催による「国民
精神作興国民大会」の体育パレードが東京
・霞ヶ関界隈で開かれた時でした。
同年、日本ゴルフ協会は日本体育協会の加
盟団体になったばかりで、行事には陸上、
水上、蹴球、スキー、スケートなど体育協
会加盟22団体に東京六大学野球連盟ほか合
計37団体、5,000人が参加しました。
ゴルフはJGA旗を先頭に、浅見緑蔵さん
(元日本プロゴルフ協会理事長で草創期のプ
ロゴルファー)が旗手を務めて威風堂々の行
進をしました。二度目は裕仁皇太子(昭和天皇)
ご成婚を記念したスポーツ祭の昭和34年5月。
東京都体育館でのハイライトのパレードは旗
手が石本喜義さん(前年の日本アマチャンピ
オン)。その後に小寺酉二さん(元JGA常務
理事)、細川護貞さん(現JGA名誉会長)ら、
全国のゴルファーの代表がゴルフ帽を振って
行進しました。
三度目は東京オリンピック翌年の昭和40年の
10月。「体育の日」の制定を記念した体育行
進の折でした。旗手が日本アマのメダリスト
になった中川好正さん(慶應義塾大学)で、
男女学生ゴルファーが神宮外苑の国立競技場
をパレードしました。この旗にまつわる逸話
は、戦時中、東京ゴルフ倶楽部の倉庫に眠っ
ていたことで、幸いにも戦火を免れました。
発見されたのは昭和28年のことで、当時、同
倶楽部の副支配人をしていた下村長三郎さん
が「倉庫にこんなものがあった」とJGAの事
務局に持ち込んで当時の関係者は“強運の旗”
とその無事を喜んだものです。
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