第1日に75を叩いて出遅れの感じだった恒川は、最後まで粘った甲斐があった。プレー中、自分がどんな位置にいるのか、皆目見当がつかないまま54ホールを終えた。『まさか勝てるとは思いませんでしたが、勝てるかもしれない』というはかない夢を抱いてスコアカードを出したら『優勝』と聞かされ、ハッとして、スコアを確認した後、今度はホッとした。
悲願の優勝だった。『一昨年は古屋京子(現在プロ=福岡大)を追い詰めながらまさかの敗退で3位に落ちた。あれは慢心した結果です。いい教訓になりました』と今度は手堅くスコアをまとめる戦法を選んだ。
『終盤、堅くスコアをまとめることができたのは、あの時の経験がいかされたからでしょう』と一気に語る恒川は、嬉しさのあまり、興奮して自分のスコアを思い出せないほどだった。同志社大学商学部在学中。趣味は映画鑑賞。愛知県出身。21歳。国際試合の経験も豊富。同志社が輩出した2人目の学生チャンピオン。23年前、小田が勝ったときは恒川はまだ生まれてもいなかった。『お会いして優勝を報告したいです』と大先輩に会える日を夢見ている。
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