宅島は優勝インタビューでも「まだ、実感がわいてきません。本当に自分が優勝できたのかなという気持ち」と困惑した表情を見せた。試合に臨む前から調子を崩し、持ち味のアイアンショットの切れがみられない。「この3日間は、耐えるゴルフでした」と苦しかったラウンドを振り返った。
最終ラウンドは、出だしの1番ホールで2メートルのパーパットを外し、いきなりのボギー。しかし、続く2番ホールでバーディーを奪うと、手堅くパーを重ねた。昨日まで、入らなかった短いパットをラウンド後に重点的に練習した結果があらわれていた。「今日は、コースも乾いていて、昨日よりティショットの飛距離が出ていました。2打目で選択するクラブが昨日より1番手小さくて済んだのが大きいです」と勝因をあげる。ハーフターン時には自分が首位に立っていることを知ったが、慌てず1バーディー、1ボギーで迎えた16番ホール。ここを3パットでこの日3つ目のボギーを叩くと、17番ホールではティショットを右ラフに打ち込む。2打目は、目の前の木が邪魔をしてピンを狙えないピンチだったが、7番アイアンでフックをかけてボールはグリーン左サイドを捉えた。ここで、一安心したのかこのホールも3パットとしてしまい連続ボギーとしてしまう。「正直、最後の連続ボギーで優勝は遠のいたと思いました」と苦笑いを浮かべた。18番ホールでは「これを決めなければプレーオフにも残れないと思っていました。この試合で一番緊張していました」という2メートルのパーパットを沈めて、1991年大会以来の初優勝を決めた。
「地元での開催だったので、優勝したいとは思っていました。けど、1年生で優勝できるとは、思っていませんでした」というコメントは、宅島の偽らざる気持ちだろう。
宅島は、日本女子学生優勝で9月末に神奈川県の戸塚カントリー倶楽部・西コースで開催される日本女子オープンゴルフ選手権競技の出場権を得た。「女子オープンは初出場です。良い結果を残したいですね」と、次の大きな目標に向かう。課題は飛距離不足。体力向上を図るために今年からジム通いを始めている。たゆまぬ努力を続ける宅島の日本女子オープンでの活躍に期待したい。
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