宮里のスタートはこの日も悪かった。インスタートの10番ホール。ティーショットを左のバンカーへ入れ、セカンドショットは7番アイアンが深く砂を噛み、ボールは50ヤードほど飛んだだけ。第3打を絶妙のアプローチで2メートルにつけたが、パットは入らずボギーとなった。2日連続してボギースタート。暗雲がたれこめた。しかし、あっさりと立ち直った。
12番ホール(122ヤード・パー3)を8番アイアンで2メートル、13番ホール(パー5)はドライバーショットをフェアウエーへ、次いでスプーン、6番アイアンとつないで1メートル。いずれもきっちりと決める連続バーディーでアンダーパーの世界へ踏み込んだ。その後、確実に
3バーディーを決めると通算7アンダーパー。最終ホールとなる9番でセカンドショットをショートしアプローチもよらずボギーにしたのは痛かったが、通算6アンダーパーとスコアを大きく伸ばした。
2位と4打差。「長いパットが入っているけどパー5は(バーディーが)取れていない。短いパットを外している。あと2日間の課題ですね」早くも第3・第4ラウンドへ思いが飛んだ。2日連続の69。大きなアンダーパーをマークして「あと2日、オーバーパーはしない。最低1日1アンダーパー、2日間2アンダーパーくらいで行きたい。はい、自分に厳しく行きたいと思います」
「また一回り大きくなりましたね」日本女子プロゴルフ協会・樋口久子会長が驚く成長ぶりだ。アイアンショットの正確性、多彩なショートアプローチ技術への指摘だろう。宮里は日頃「わたしの課題は30から50ヤードのアプローチ」と言い続けたが、ピッチングウェッジでの低いアプローチに加え、欧米への遠征を経て、ここのところ目立つ9番アイアンを使ってのランニングなど確実性を目指したゴルフはさらに安定性を増している。
インタビュールーム。宮里は最後にきっぱりといった。「あと2日、確実にスコアを伸ばしたい。いずれにしろ将来の自分に役立つこと、がんばる」優勝を視野に入れて宮里は、だれよりも早く”勝負モード”に切り替わった。
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