秋晴れの続いた嵐山カントリークラブ。シニア日本一が決まる最終ラウンドに初めて、どんよりした曇天が訪れた。午後には雨の予報も出ており、予断を許さない天候だった。
最終ラウンドでスタートした前日首位の友利勝良(7アンダーパー)と陳志明(5アンダーパー)のペアはいきなりバーディー合戦を展開。ゲームの方も予断を許さない展開を見せた。陳が1番ホールのフェアウェーど真中からエッジまで95ヤードをピッタリ2mに寄せてバーディー(6アンダーパー)。すると2番ホール(パー3)では友利がピンハイ左の1.5mにつけ、これもやすやすと入れる(8アンダーパー)。続く3番ホールでは今度は陳が2打目をショートし、カッ
プまで10ヤードを残した第3打をアップヒルのマウンドからチップインのバーディー(7アンダーパー)で反撃する。なんとも最終組にふさわしい激しいデッドヒートで、この日集まった3,174人のギャラリーの興奮を誘う。
その後も、友利は5番ホール(パー5)も獲って9アンダーパーまでスコアを伸ばすのだから、”優勝者はきっとこの最終組から生まれるに違いない”と思って当然だろう。9番ホール(パー5)で寄らず入らずのボギーで友利は8アンダーパー止まりでハーフターン。陳は7アンダーパーの1打差で友利を追って、イン9ホールへ。なんとも凄い緊張感ある優勝争いに思えたものである。
しかし、こうした2人の優勝戦線に首を突っ込んで来た、もう一人の強豪がいた。この試合がシニア4試合目となる中嶋常幸である。彼もまた劇的なゲーム運びを展開していて、残り9ホールの時点で、陳と並ぶ7アンダーパーだったのだ。何が劇的か?といえば「自分でもビックリするほどショートアプローチの感覚が良く、バンカーからチップイン(2番)、ラフからチップイン(9番)、インへ行って13番でもサンドウェッジでチップインと入りまくった」と中嶋はプレー後に振り返ったのだ。
なにしろ、13番ホールまでの4バーデーィの内、3つがチップインというのだから本人が驚くのもうなずける話だ。
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