女子アマ日本一は16歳、東北高校2年生の森桜子に決まった。
36ホールマッチプレーの決勝、森桜子 対17歳 東海大付属2高3年 大津くるみ戦は18ホールを終えて森が2アップ、後半開始直後の20ホールからも3連続ポイントを重ね、終始優位な展開から6アンド5で勝った。
森は初優勝。10代のチャンピオンは7年連続。茨城県出身初のチャンピオンとなった。これまで4連勝していた沖縄勢の5連覇も阻止した。
森はショットが乱れ苦しんだ。大津は好調。2番で1mを決めるバーディーで先行し、8番では5mのバーディーで2アップと先行した。しかし、勝負の分岐点は思わぬ所にあった。10番、森のティーショットは左
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林、杉の木の根元のボールは5mしか飛ばず4打目もグリーンをショートした。大津はフェアウエーをキープした。
セカンドはグリーン左へ。だが、その3打目のアプローチをショートして展開は急転する。次の4打をわずかにオーバーすると、なんと返しのパットを外した。ダブルボギーの6。森は5オンのワンパット。もうけもののダブルボギーと、もったいないダブルボギー。同じダブルボギーでも心理面が違った。その後の展開を左右した。森は「林に入れ、負けを覚悟。まさかあそこで分けになるとは、運と流れがあるのかな」と勢いづいた。大津は「ボギーパットは50cmしかなかった。ストレートラインをひっかけた。ハー?って感じ」
勝敗の分かれ目だった。
11番、大津はティーショットを左に打ちボギーで1アップ、続く12番、大津8m、森5mのバーディーパットは大津が外し、森がねじ込んだ。オールスクエア。マッチは振り出しに戻り、流れは森に急激に傾いた。
16番、17番と大津はボギーを連続した。午後に入って20ホールから25ホールまでで森は7アップ、安全圏を引き寄せた。
「勝ち負けの36ホール。後悔をしない、チャンスを逃さない、気持ちで負けるな」森は強い気持ちで臨んだという。
159cm、61kg。3回目の大会、初マッチプレー進出。しかし、冷静だった。「コースマネージメントなど攻守のタイミング、攻め場所、守りの外し場所など考えた。これまでいけいけ一本で失敗した自分にけじめをつけようと気をつけた」
21ホール目で「もう負けない」と確信した直後の22ホール、パー5。セカンドショットを7アイアンで徹底した攻めからパーキープした。ホールを重ねるごとに成長をみせる姿は迫力があった。
強豪が次々と姿を消した今大会、伸び盛りの決勝戦。次代のホープ2人の争いはスコア以上に充実して見えた。チャンピオン森は今年春の全国高校選手権春季大会、関東女子ゴルフ選手権優勝に次いでついに全国制覇した。これでナショナルチーム入りも見えた。コンピュータ技師のサラリーマン一家の長女が晴れやかに船出した。
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