アジア太平洋選抜のメンバーとして出場した「ボナラックトロフィー アジア太平洋選抜vsヨーロッパ選抜マッチ選手権」で並み居るヨーロッパ勢を相手に好勝負を見せ、続く全英アマチュアゴルフ選手権では、日本人として初めてマッチプレーに進出し、ベスト16入りを果たすなど、既に世界を舞台に活躍している伊藤勇気。今年、日本大学に進学し、本大会初出場を果たした。しかし、伊藤の日本学生は波乱のスタートとなった。
スタートの1番(487ヤード・パー4)でフェアウェーから放った2打目は、ピン方向に飛んでいったが、距離のジャッジを誤りグリーンオーバー。いきなりのボギー発進となってしまう。
「良いショットを打ったんで
すが、このボギーで流れを掴み損ねてしまった」伊藤は、5番(460ヤード・パー4)でティーショットを左に引っかけてボギー。前半はノーバーディー・2ボギーでハーフターン。流れが変わったのは、後半最初の10番(539ヤード・パー5)。このホールでグリーン手前20ヤードからサンドウェッジでチップインイーグルを奪うと、12、14番でもバーディー。最終18番こそボギーとしたものの、1イーグル・2バーディー・3ボギー69にスコアをまとめた。
「江戸崎CCは、フェアウェーが狭く、ティーショットを右に曲げると木がスタイミーになるホールが多い。好スコアを出すにはドライバーショットが重要だと思います」と言う伊藤は、本大会を前にドライバーを新調。「ドライバーのデータを計測したら、これまで使っていたものではスピン量が多くて距離をロスしていることがわかったんです。新しいドライバーには、まだ不慣れで方向性が出しにくくて。前半2オーバーパーになってしまい、後半スコアを伸ばすためにドライバーを振りましたが、左右にぶれてしまい、なかなかチャンスにつけられませんでした」と悔しがる。
明日はドライバーを元に戻すのかと聞かれた伊藤は、すぐに首を振った。「今はこのドライバーには慣れていませんが、先のことを考えて、明日以降も同じドライバーを使います」と視線は、将来の自分のゴルフに向いている。その前に、本大会は是が非でも獲りたいタイトル。「回りの方々からも初出場初優勝を期待されているのは、わかっています。決して調子は良くありませんが、それに応えたい」と強い決意を語った。
《伊藤勇気プロフィール》
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