本来は強気のパッティングで、数多くの公式戦で実績を積み上げた佐々木祥子であったが、今回はそのパッティングスタイルを封印し、消極的なパッティングでゲームを組み立てた。「きっかけは、本当に病気かと思うほどパターが悪く、練習ラウンド後に、阪本選手にとにかく打つなと釘を刺されたことです」と佐々木。この日、7年使った愛用のパターに戻して臨んだ佐々木は、消極的なパッティングが練習ラウンドよりも早くなったグリーンにうまくかみ合って、4バーディ、5ボギーの73とスコアをまとめた。「途中3回の2メートルバーディチャンスで狙いたくなったが、我慢して確実にパーをとるようにした。慣れないプレーでストレスが溜まったけど
これもゴルフなんですね・・。」と本人も困惑気味だったが、「明日は、優勝やスコアのことは意識せず、1打1打をベストにプレーすることだけ考えてプレーします。」と力強いコメントを残してコースを後にした。
同じくトップタイスタートとなった初出場の池永並穂は、かつて広島県代表として国民体育大会でも活躍した選手。しかし、県の代表の重みに苦しみ、2002年の国民体育大会を最後に競技ゴルフの舞台から姿を消した。「気楽で楽しいゴルフがしたくて競技ゴルフから離れました。3年間ぐらい静養して自分のゴルフを見つめ直してみて、再度自分のゴルフに刺激を与える為に、競技ゴルフに出場する決心をしました。」と池永。一度競技ゴルフを離れたことで、競技ゴルフの面白さを再認識した池永のプレーには迷いがなくなった。今日も持ち前である飛距離の出るドライバーショットを武器に、終始安定したプレーで、3バーディ、4ボギーの73でホールアウト。公式戦ではベストスコアと本人も驚く改心のプレーでトップに立った。このラウンドで、更に競技ゴルフの面白さを深めた池永のプレーはまだまだ発展途上といえる。
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