混戦が予想された優勝争いだったが、難易度の高いホールが続く前半の9ホールで明暗が分かれた。上位選手が軒並みスコアを崩す中、トップタイでスタートした西山敦子(ザ・オークレットGC)は、1番ホールで3メートルのバーディパットを沈めリズムをつかんだ。「昨日からパッティングのフィーリングが凄くよくて、特に肝心なところのパットはほとんど決まってくれたので助けられた」と振り返るように、4番では4メートル、続く5番でも2メートルの難しいラインのパーパットを沈め、逃げそうな流れを何とか繋ぎとめ、前半をイーブンパーで終えた。最終2組の8人の中で30台で折り返したのは、西山と佐々木祥子(妙高CC)と髙橋香雅美(小
田原GC松田C)の3人のみ。通算スコアから見て、この時点で優勝の行方は4オーバーの佐々木と1オーバーの西山の2人に絞られた。
西山とトップタイでスタートした佐々木はボギーが先行する苦しい内容ながらも、好調なショットと無理をしないパッティングスタイルで丁寧にパーを重ね前半を39で終え、後半に入っても、じわじわ逃げる西山に4打差を維持して追いかける。迎えた15番、両者ともにティショットをバンカーに入れ、西山はセカンドショットもバンカーつかまり、寄らず入らずで、ボギーでホールアウト。一方の佐々木はセカンドショットをピンそば70センチのバーディチャンスにつけた。キャディーと自分とでラインが食い違い、悩みに悩んで打ったバーディパットは、無情にもカップになめられてパーで終えた。「あの15番がポイントだった。あそこで2打差にしていれば、流れからいってまだわからなった。肝心なところで、パッティングに迷いが出てしまった。今日唯一悔やまれるパットだった。」と佐々木が語るように、その後の佐々木はグリーン上での精細を欠き、16番のバーディパットをダフって2メートルショートしパーとすると、続く17番ではバンカーから1メートルに寄せたパーパットを外しボギーにしてしまい、この日6ボギーの78通算7オーバー151ストロークでトップに5打差の2位で大会を終えた。
優勝は、最後まで集中力を切らさず、上がり3ホールをパーでまとめた西山が、3バーディ、4ボギーで、この日のベストスコアとなる73で回り通算146ストロークとし、2004年の髙橋香雅美以来3人目となる初出場初優勝を飾った。また、11回を数える女子ミッドアマチュアで、ルーキー年の優勝は初めての快挙となった。
3位は通算9オーバーパー、153ストロークで昨日の8位タイから浮上した田口亜希子(玄海GC)と鈴木志麻(千刈CC)が入った。前年度優勝者の篠塚美幸(富里GC)は、155ストロークで5位に終わった。なお、5位の篠塚までの5人は07年の日本女子アマチュア選手権競技にシードされる。
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