「自分のゴルフに集中する。それだけに専念した。前後半を2アンダーパー、2アンダーパーでまわろう、と自分のスコアだけを考えるようにした」好調のショットを信じた作戦が見事に花開いた。今平周吾、15歳、高校一年生が首位を守った。アウトこそ2番の1バーディーにとどまったが、インに入ると10番3メートルを入れるバーディー、13番でボギーとしたが、16番5メートル、18番では4メートルを沈めるバーディーで危なげなく逃げ切った。
第1日69、2日目に自己ベストスコアの66でトップに躍り出ると最終ラウンド、また69をマーク、同組の高田、松山を寄せ付けなかった。前の組の保田がこの日のベストスコア68で2位
に上がったが、4打の大差。
「ショットがたまたまよかったので3日間,60台でまわろう、そんな自信みたいなものがあった。僕のいいところは曲がらないショット。ドライバーもアイアンもドローボール。アプローチはサンドウェッジ一本しか使わない、パットはまあまあです」
165センチ、51キロと小柄。ドライバーショットの飛距離が260ヤード。パワー全盛のジュニアの世界にあって非力といっていいだろう。だが、並の才能ではこうはいかない。
埼玉栄・監督歴29年、橋本賢一さん(53)は明かす。「長いパットを当たり前のように入れる。アプローチの感性はロブショットも低くスピンを入れて止めるのと多彩で舌をまく。中学時代も含め1年くらいの付き合いだが、ただものじゃない、といつもおどろかされる。今大会もアイアンの切れ、ドライバーのうまさにうなっている」埼玉栄高にとって今大会が初タイトル。そして入間市に住む今平がタイトルを手にして06年の前田男、昨年の石川遼に続き3年連続して埼玉が保持した。この優勝で10月の日本オープン(福岡・古賀)の出場資格も手にした。“全国区”になってからの飛躍が楽しみだ。
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