首位と2打差4位タイでスタートした浅地洋佑(杉並学院中学3年)がこの日唯一人のアンダーパーとなる68をマークして通算5アンダーパーにスコアを伸ばし逆転で本部門初優勝を果たした。スタート前、「今日は6つスコアを伸ばせば勝てる」と踏んでティオフした浅地だが、2番でボギーが先行する。しかし、「昨日のラウンドでもこのホールはボギー。しょうがない」とすぐに気持ちを切り替えたことが功を奏した。5番パー5では、ドライバーショットを右バンカーに打ち込み、2打目は出すだけ。サードショットは残り170ヤード。6番アイアンで放たれた球は、綺麗な放物線を描いてピンに向かっていく。このショットがあわやチップインバーディ
ーの10センチにつき、スコアを戻す。5番ホールを終えて、浅地は「今日のホールロケーションは難しい。4つ伸ばせば…」と目標を修正。
その後、慎重なプレーでパー積み重ねる。後半11番で4メートルのバーディーを決め、スコアを伸ばすと、13番で90ヤードのセカンドショットをアプローチウェッジで20センチにつけバーディー。次の14番でもバーディーを奪い、目標スコアの4アンダーパーにあと1ストロークとなった。しかし、ここから試練が浅地を襲う。15番では下り2メートルのスライスラインのパーパットをねじ込むと、16番では4メートルのスライスラインのパーパットが残る。これを沈めた浅地に、今度は優勝争いのプレッシャーが襲い掛かる。16番で首位スタートの佐藤に1打リードを奪っているのを知った浅地は、「直前まで決まっていたパッティングでしたが、16番で自分が首位に立ったのがわかった瞬間、手がしびれ始めました」と苦笑い。
「プレーオフだけは、嫌でした。自分は2度プレーオフを戦って全敗。プレーオフだと勝てるイメージがないんです」という浅地は、最終18番で1メートルのパーパットを震える手でホールに沈めて、優勝を手中に収めた。「全国中学校ゴルフ選手権で7位。これが本当に悔しかった。日本ジュニアでリベンジしたかったし、狙って優勝できたことが本当に嬉しい」と笑顔を見せる。「今年の夏は本当に充実しています。あとは、古賀の日本オープンに向けて調整したい」浅地を待っているのは、全国に名を知られた難コース古賀ゴルフ・クラブ。ジュニアゴルファー旋風が吹き荒れる男子ゴルフ界の新たな注目選手が誕生した。
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