首位スタートの渡辺彩香(熱海市立小嵐中学校3年)がこの日74にスコアをまとめ、通算3オーバーパーで初優勝を果たした。渡辺は「首位スタートだったけれど、緊張しないでスタートできた」というが、番でティショットを右の林に入れるミス。いきなりのピンチを迎えたが、残り60ヤードの3打目を1メートルにつけてパーをセーブし、落ち着きを取り戻すと、6番までパーを積み重ねる。7番では3パットのボギーを叩いたが、直後の8番でバーディー。前半はパープレーで凌ぎ、後半に進んだ。渡辺はこの試合に賭けていた。
関東中学校選手権でスコアを崩し、全国大会の出場を逃した渡辺は、「新聞でみんなのスコアを見て、すごいんだなっ
て。自分だけ置いていかれている気がしていました。だから、この日本ジュニアへの思いは誰よりも強かったと思う」と胸中を明かす。その強い思いがプレーに乗り移ったかのように、渡辺は後半もスコアを落とすライバルを尻目に、3オーバーパーにスコアをまとめ、2位に5打差をつけて初優勝を果たした。「今日のスコアには納得できないけれど、満足はしています」複雑な表情で話す渡辺。それでも「初出場で優勝できるとは思いませんでした。全国中学校選手権の分も含めて、本当に嬉しいです」とようやく笑顔を見せた。将来は、「豪快に攻めていくゴルフファーになりたい。そして、いまの私たちみたいにゴルフを頑張っている人に、憧れとか目標になれる選手になりたい」と最後に大きな夢を語ってくれた。
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