エースの伊藤勇気がカット、宇佐美祐樹も下位に沈む思わぬ展開だった日本大学勢だが、中西、大槻とともに関東学生優勝の大田和桂介(日本大2年)が通算6アンダーパーにスコアを伸ばし、6位タイにつけ、1997年大会の米倉憲太郎以来11年ぶりの戴冠に向け、上位を占めている。
11番でボギーが先行した大田和だが、「このボギーは仕方ないと思って、焦らずにいこう」と気持ちを落ち着かせ、「バーディーを獲りたいと思っていた」13番でスコアを戻す。15番はミスが続きダブルボギーを叩いたが、「まだ2日目の前半。ここで焦らないように」と集中力を切らさなかったのが、後半の猛チャージにつながった。後半の3番パー5。3番
ウッドのティショットは左ラフに入ったが、セカンドショットをピン奥5メートルに乗せると、下りのフックラインをねじ込んでイーグルを奪う。この後、2つスコアを伸ばした大田和は、してやったりの表情だった。
日本アマではベスト32入りを果たした喜びと1回戦負けの後悔が募った。「焦って無理な攻めをしたら、罠にはまってしまう。日本アマでそれを学んだ」という大田和は、関東学生で日本アマでの経験を活かし、見事に優勝。最近では「自分は他の選手よりも飛距離が出ないし、アイアンも精度が低い。それでも、得意のアプローチとパットで流れを掴むまで我慢する」そのプレースタイルを確立できてきた。「明日も焦らないで。自分のプレーをぶつけたい」と関東学生に続く、栄冠に向け愚直なプレーを続けるつもりだ。
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