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ホールアウト後の杉田 |
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優勝争いは杉田と宮の一騎打ちに |
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「優勝は意識せずに、各ホールでパーを取ることだけ考えてスタートしました」と杉田はラウンドを振り返った。杉田は予定通り、相手に全く隙を見せない安定したプレーで、前半を1ボギーの37でターン。6打差2位スタートの同組の宮は、出だし2ホールをボギーとするも4番、7番でバーディーを奪い前半をイーブンとし、杉田との差を5打差に縮めた。柳は5番で3打目のアプローチをグリーン奥につけ、そこから3パットをして痛恨のダブルボギー。このダブルボギーが響いて前半37でハーフターンした柳は、杉田との差が7打となり優勝争いから脱落。前半9ホールを終えて、優勝の行方は、杉田と宮の2人に絞られた。
後半に入り、宮が攻
勢に出る。11番パー3で、杉田と宮が共にグリーン右のバンカーに入れる。杉田が1.5メートルのパーパットを外しボギーにしたのに対し、宮は1メートルに寄せてパーセーブ。続く12番では、宮が2メートルのバーディーパットを沈め、スタート時に6打あった杉田との差を3打差まで縮め、杉田を追い詰めた。しかし、杉田は宮の猛追に動じることなく、ティショットはドライバーを使わず刻み、グリーンはセンター狙いと徹底した守りのプレーを展開し、パーを重ねる。そして、宮と杉田がともに今日のポイントとなるホールと上げた14番。13番で6メートルのパーパットを沈め、勢いにのる宮が2打目を2メートルのバーディーチャンスにつけた。「あのバーディーパットがすべてですね。あれが決まっていれば、2打差で全然わからなかった。流れも自分にあったし…」と悔しがる宮。宮のバーディーパットは無情にもカップをすり抜け、このホールをパーとする。
残りホールが少なくなり、宮には、杉田との3打差のプレシャーが徐々にかかり始め、迎えた15番。奥行き28メートルのグリーンのホールロケーションは、エッジから10メートル。バーディーを獲りたい宮は、果敢に攻めるも2打目をダフってグリーン手前のバンカーに入れてしまう。このバンカーショットを寄せきれなかった宮は、このホール痛恨のボギーとし万事休す。「宮の14番のパーと15番のボギーで、気持ちが一気に楽になりました」と杉田。杉田は、その後も安定したショットとパッティングでパーを重ね、17番で、この日初バーディーを奪い、優勝を決定づけた。「あのバーディーで宮からおめでとうと言われ、勝ったと思いました」という杉田は、18番で足が攣るハプニングでボギーにするも、1バーディー・3ボギーの74。通算2アンダーパーで、初出場初優勝の快挙を果たした。
「優勝の実感はまだないです。今は、公式戦の痺れるようなセッティングの中で、自分の実力を十分発揮できたことの満足感の方が大きいです。公式戦はいいですね」最後まで自分のコースマネジメントを守りぬいた杉田は、満面の笑みで日本シニアの優勝杯を掲げた。
優勝した杉田には、来年7月8日から5日間、福岡県の若松ゴルフ倶楽部で開催される日本アマチュア選手権の出場権が与えられる。2001年以来の出場となる日本アマで、アマチュア男子シニアゴルファー日本一の称号を手にした杉田がどのようなプレーを見せてくれるのか。期待したい。
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