快晴微風のもとでスタートした全米オープンセクショナルクオリファイング。石川遼の出場もあり、早朝から多数のギャラリーが会場に詰め掛け、本選出場権をかけた熱い戦いの幕が開いた。1日で2ラウンドをプレーする過酷な条件のなかで、強さを見せたのがクレイグ・パリー。1997年日本オープンを制したほか、2002年にはワールドゴルフチャンピオンシップNEC招待も制したオーストラリアの強豪は、第1ラウンドから正確なプレーで着実にスコアを伸ばす。1ラウンド目は、12番でダブルボギーを叩いたものの4つのバーディーを奪い、70でホールアウトし7位タイにつけると、2ラウンド目は、6バーディー・2ボギーと4ストロークスコ
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アを伸ばし、通算6アンダーパーで自身14回目となる全米オープン本選の出場資格を得た。「今日はとても暑くて大変なプレーだった」と汗をぬぐいながらも満面の笑み。「茨木CCはコースコンディションもすばらしく、グリーンも完璧だった。先週、スコット・レイコックと谷口徹からパッティングのグリップについて、アドバイスをもらったのが、よかったみたい」と相好を崩す。パリーの全米オープン最高位は93年の3位。自身2度目の予選会からの本選出場の勢いをかって、ベスト順位更新を目指す。
本選への出場資格を得たもう一人は、アルテミオ・ムラカミだった。注目の石川と同組で、大勢のギャラリーの中でのプレーとなったが、昨年のアジアンツアーを制した実力者は、それにも動じず8番まで着実にパーを積み重ねる。9番でこの日初バーディーを奪うと、後半も2バーディーで1ラウンド目を69でホールアウト。4位タイと好位置につけて迎えた勝負の第2ラウンド。前半4バーディーで7アンダーパーまでスコアを伸ばしたが、後半は一転。本選出場へのプレッシャーからか15、17番でボギーを叩き、5アンダーパーまでスコアを落とし、一時は、先にホールアウトした上田諭尉と平塚哲二、タワン・ウィラチャンの3人と同スコアに並んだ。このまま本選出場資格の残り1枠をめぐるプレーオフにもつれ込むかと思われた最終18番。ムラカミは、2打目をグリーンエッジまで運び、このホールをバーディーで締めくくり、嬉しい全米オープン初出場を決めた。「今日は、ノーボギーでのプレーを目標にしていた。終盤の2ボギーで本選はあきらめかけたが、最後にバーディーが取れて本当によかった」と、笑顔を見せる。ムラカミは、アマチュア時代の2005年にフィリピン代表としてノムラカップにも出場した選手。「自信はなかった。実感はないですが、本選を楽しみにしています」と、大舞台への決意を語った。
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