マッチプレーに進出した中学生4人のうちただひとりベスト8に残ったのが13歳の中学2年生、柏原明日架。1、2回戦とも際どい勝負を切り抜けた。
田口晴菜との1回戦では、14番ホールを終えて2ダウンと苦境に立たされていた。
「悪い流れで、気持も弱くなっていた。だから、15番からは“絶対に逆転してやる。もっと積極的にプレーしよう”と気持ちを切り替えて臨みました」
そして、ここから3ホール連続で取り返し、逆に1アップとした。迎えた18番でも先にバーディパットを決めて1アップのまま勝負を決めた。
2回戦は、1回戦で実力者の森美穂をくだして勝ち上がってきた槙谷香との対決。これもまた接戦となり
、18ホールを終えてマッチイーブン。エクストラホールにもつれこんだ。19ホール目に大ピンチのシーンが待ち受けていた。第1打を右の深いラフに打ち込み、前方には木が邪魔しているという状況だった。「5番アイアンで低い球を打ち、グリーンに転がし上げるイメージを描いた」という第2打は、ラフにくわれて30ヤードほど前進しただけ。そこから70ヤードのアプローチショットをピンそば40センチにつけて、このピンチをしのいだ。20ホール目はともにパーで決着せず、迎えた21ホール目の3番パー3。このホールはクォリファイングラウンドで、そのときには5Iのショットで30センチにつけるバーディを奪っていた。距離カンをつかんでいた柏原は、同じ5Iでピンを狙った。落ちたところはイメージどおりだったというが、思ったよりもファーストバウンドが大きく、ピン奥へ。槇谷は左手前ラフ。
グリーンに向かう柏原にキャディがささやいた。「あちらサイドのラフからは、絶対に寄せられないから、あなたはていねいに2パットでいきなさい」
結果は、キャディさんの見立てどおりで、槇谷のアプローチショットは、下り斜面になったグリーンを転がり、ピンを大きくオーバー。このパットをはずし、柏原は2パットでおさめて、長い戦いが決着した。
「エクストラホールにいくときは倒れそうになりました。緊張しすぎていたのかもしれません。でも、キャディさんや、応援に駆けつけてくれた先輩たちの励ましで、なんとか戦い抜きました。今日は、早めに休んで明日に備えます」
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