【準決勝 マッチ29】 ○藤本麻子 2up 中田順子●
《前半は7、8、9番の連続アップで中田ペース》
2番パー5ホールの第3打をピンそばにつけた藤本が好スタートを切ったかに思われたが、7番ホールから試合は大きく転換する。藤本のミスに乗じた格好で中田が反撃に転じたのだ。
7番パー3ホールでは藤本がティショットをダフッてグリーンをはずしたのを見て、中田は確実にグリーン中央に乗せて2パット。このホールをとってオールスクェアに。さらに8番パー5ホールでも藤本がショットを乱すのを尻目にバーディチャンスにつけ、コンシードされての1アップ。9番パー4ホールでは3メートルのバーディパットを沈めて2
アップとして中田ペースでインにターンした。
《後半は藤本が巻き返す》
10番ホールに向かいながら、藤本は懸命に気分転換を図っていた。「このままでは、相手ペースのままになってしまう。もっと1打に集中していけ、と自分に言い聞かせていました」という効果か、7メートルに2オンして、このバーディパットを沈めて取り返すと、続く11番もとってオールスクェアに。流れは、再び藤本サイドにきたようだ。14、15番と絶好のポジションにパーオンさせた藤本に対して中田は距離カンが合わずに難しい位置にばかりいってパットに苦しむ展開となり、この2ホールをとった藤本の2アップとなった。
16番では中田が5メートルのバーディパットを沈めて、このホールをとり、反撃ムードを漂わせた。
藤本の1アップで迎えた18番パー5ホール。ともにレイアップしたあとの3打目をピンにからめていくファインショットの応酬だったが、中田が2メートル弱をはずした後、藤本は1メートル弱を沈めて決着した。
<戦いを終えて…>
★藤本麻子「本当に大会直前というより、大会当日の朝、全ての歯車が噛み合って不安が解消されたので、いざ大会が始まってからは“力を出し切れば、自分は勝てる”という気持ちでプレーを続けられています。準決勝では、後半になって、ようやく、自分のペースでプレーできるようになりました。15番で2アップとした後も、気持の緩みはなかったです。中田さんは16番からの3ホールに自信を持っていると聞いていたので、16番をバーディで決められたときにも“やっぱり…”という気持ちで焦りはしませんでした。ちょっと心の準備がありましたから。18番は、ファインショットの応酬で楽しかった。あと1日、本当に悔いの残らないプレーをし、力を出し切ります」
★中田順子「残念な結果ではありましたが、この大会で、これまでの自分の殻を突き破れたような気がしています。以前は、終盤に崩れるパターンで悔しい思いばかりしてきましたが、今大会では、終盤になると逆に集中度が増して、アドレナリン全開のプレーができました。準決勝で敗れはしましたが、体力強化も含めて、これからやらなければいけないことを今大会で学べたのは、何よりも大きな収穫でした」
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