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「練習ラウンドの感触では、(試合では)パープレーが目標かな、と思っていたので、自分でも驚きです」と語っていたのは、この日4アンダーパーの67で首位に躍り出た大槻智春(千葉桜の里)だ。日本大学の2年生。19歳である。「ずっと雨が降っていたのに、このグリーンの状態は最高でしたね」と笑顔で語った。それもそのはず。7ホールもバーディーを奪い取っているからだ。ボギーが3番ホールとダブルボギーが12番ホール。いずれもパー3でスコアを崩した。「3番ホールの3パットのボギーよりも、12番ホールのダブルボギーが痛かったですね」6番アイアンを手にした第1打を左に引っかけてOBとなった。打ち直しは、ピンに7メートルにつけたが2パット。「このコースは、ドライバーを持つホールと刻むホールをしっかりと使い分けないといけませんから、それがしっかりできていれば…。明日もがんばります。」といった。
今年の日本アマ出場選手の平均年齢は、26・63歳。10代の選手は大槻選手をはじめ、57名(中学生4名、高校生25名)いる。その10代選手をピークにして、20代40名。30代19名。そして40、50代選手は、あわせて26名と年代ごとに少しずつカーブが下降していく。
若い選手中心の大会、と思えるが、第1ラウンドの成績をみると、ミッドアマと言われる30代後半から40代、50代の選手も上位で名前を連ねていることだ。
2位タイの角田浩導も今年10月で38歳になるし、上位をみると、イーブンパーの杉山稔が、48歳。同じ野上英司が51歳……。アマチュアゴルフの環境は、学生時代と社会人になってからとでは、ガラリと変わる。ラウンド回数や練習量という物理的な問題だけではない。2位タイにつけた富村が、こんなことを言っていた。
「僕の大学(東北福祉)では、上手な選手ばっかりなので、その選手たちに追いつき追い越せという気持ちが強いですね。これは、首位に立った大槻も同じだ。「ライバルは、日大の先輩の方たちです」と、学生時代は、一緒に練習する選手に全国レベルの実力を持った選手が多く、成長著しい時期に、技量を研鑽し、ゲームマネージメントを構築していこうという環境がある。
逆に、ベテラン選手たちは、過去の豊富な技量、経験を基盤としてスコアをつくりにいく。「自分がどれだけできるか、その力量を試してみたい」という若い選手と、1年に1度を目標に、時間をやりくりしながら練習し、努力し、自分の引き出しをうまく使い分けながらゲームを構築する選手。この世代の違いが、コース攻略やスコアメイクに見事に描き出されていた第1ラウンドの18ホールだった。
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