川村昌弘は、この6月25日に16歳になったばかりの選手だ。7人でのプレーオフの最後の1枠を突破してマッチプレーに進出した。1回戦でメダリストの渡辺泰一郎(日本海)を1upで破り2回戦、同じ中部の名古屋商科大3年生の権藤紘太と対戦した。「完敗です。僕の方がまったくと言っていいほどパットが入らなくて……終始リードされてしまいました。決定的だったのは、川村君が11番ホールでチップインを決めて3upにされてから流れが向こうに行きっぱなしでしたね」と潔い敗退のコメントを残した。
その川村は「日本アマにくる前には完璧だったゴルフが、会場にきて練習日から調子が悪くて、自信をなくしかけていた」という。そ
こで「なるようにしかならない」と心に決めて試合に臨んだ。ところが、くる前に「唯一、自信のなかったアプローチがよくて、なんとかスコアをまとめることができた」という。
日に日に、調子を上げてくる川村は、外側からみると非常に落ち着き払っていて、プレーするリズムもよく、付け入る隙を感じさせない雰囲気が漂っている。これが16歳のゲーム運びかと驚く。「試合の練習ラウンドで、各ホールの攻め方を決めて、それを基本にしてラウンドしています」という。ベスト8入り、一番乗りをした川村の次のマッチが楽しみである。
その川村と準々決勝を争うことになったのが柴田健太郎(名倉)。柴田は豊島豊(東千葉)との対戦となった1回戦を3and2で勝ち抜くと、続く2回戦では佐藤和夫(東千葉)を5and3の大差で退けた。柴田は「雨の中のプレーは苦手じゃない」と、豪雨の中でのプレーにも涼しい顔。川村とは、今年の中部アマ3日目で同組でプレーしたが、そのときは「川村に歯が立たず」に、川村に中部アマの優勝をさらわれている。「ここまでこれたら優勝したい。明日、川村に中部アマのリベンジをします。川村に勝てば、勢いに乗れると思う」と、不適に笑った。
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