男子12~14歳の部では、この日5アンダーパーの68をマークした小西健太(長江中3年)が逆転優勝を果たした。平均飛距離280ヤードというドライバーショットが、確実にフェアウェーをとらえていった。5つあるパー5のうち4ホールでバーディを決めたのをはじめ、6バーディを奪う会心のゴルフを展開した。
スタート前には、こんなふうに考えていたという。「4打差だし、トップは誠道(伊藤)だし、逆転は厳しい。だから、そんなことを意識せずに、ひたすら自分のゴルフをやり尽くそう。それだけに徹していこう」小西のいう“自分のゴルフ”とは、どういうスタイルなのだろう。
「僕は、自分のドライバーショットに絶対の
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信頼をおいています。曲がりませんから。だから、フェアウェーからのゲームの組み立てを考えていきます。といって、闇雲にピンを狙うのではなく、基本はグリーン中央。パー5でしっかりバーディーを稼ぐのが、僕のスタイルです」
小学校5年生から通い始めた広島県福山市にある鈴池ゴルフセンターという練習場。そこで中学生になってコーチに巡り合ったという。
「アメリカのミニツアーで戦った経験があるというアマチュアの方なのですが、練習場の人がその方を紹介してくださり、週に1回教えていただくようになりました。自分でも驚くぐらい急速に上達していったし、ドライバーショットは飛ぶようになり、なおかつ曲がらなくなりました」
そこからは、パッティング練習にも時間を割くようになっていった。「それは、父(隆文さん=46)の教えです。スコアの内訳はショットとパットが、ほぼ半分ずつ。だったら、パッティング練習もショット練習と同じぐらい時間を費やすべき、というのが父の教えでした」
パッティング練習を積み重ねていくうちに、パターへの興味を深め、いつしかスコッティー・キャメロン・フリークに。「いま、7本持ってます。この試合には、その7本目を持ってきました。新顔です。試したらストロークしやすかったし、球の転がりもよかったので、ぶっつけ本番にはなるけど、日本ジュニアは、これで戦おうって即決しました」
マレットタイプである。芯でヒットする。そこに集中して14番までに6バーディ。ボギーは9番だけで、通算4アンダーパー。15番で伊藤誠道が3アンダーパーで、自分が逆転しているという情報をキャッチした。それでも、心を動かすことなく、18番まで残り4ホールとも自分のゴルフに徹し、終わってみれば2打差をつけての逆転優勝だった。
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