同組でプレーした大槻は、「完璧なプレー」と言い、阿部は「優勝争いを意識しているように見えた」という、今日の大田和桂介(日本大学3年)。
本人は、「ストレスがたまったラウンド。72ホールのプレーだから、こんな1日もあると思うしかない」と、2人の印象とは別の思いにとらわれていた。前半スコアを伸ばす阿部に対し、大田和はチャンスがありながらも得意なパットが「ラインが読みきれていない」状況で、決めきれず、7番で阿部に逆転を許してしまう。この日の初バーディーはその直後の8番まで待たないといけなかった。このバーディーで阿部に並んだ大田和は、続く9番で「阿部選手にようやく追いついたし、この日初めてピンを
狙った」ショットが3メートルにつき、連続バーディーを奪って、再び首位で前半を終える。
後半は、昨日ティーショットを曲げてピンチとなった10番で再び右へのミス。2日連続であわやOBというミスショットも、どうにかパーで凌いで「救われた」と、一息ついた。12番では1メートルのバーディーチャンスを外しパーとまんじりとしない展開に光明が差したのは、14番だった。残り140ヤードの2打目を9番アイアンで打つと、これが直接カップイン。チップインイーグルを決めて見せたのだ。この1打で阿部に2打差をつけた。普段の大田和なら、ここから危なげないプレーを見せるところだが、15番で1.5メートル、16番では1メートルのパーパットを外して連続ボギー。再び阿部との差は1ストローク。最終ホールはお互いにバーディーを決め、最少リードをどうにか守って、明日の最終ラウンドを迎えることとなった。
明日も今日と同じ組み合せで雌雄を決することになった3人。史上9人目の連覇を目前に産みの苦しみを味わった大田和だが、「2人の実力は良くわかっています。最後まで集中してプレーしたい」と、その苦しみを存分に味わう覚悟は出来ている。
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