瀬戸内海から吹き込む風は、和木ゴルフ倶楽部の木々を揺らし、ピンフラッグも大きくはためかすほどの強さだった。多くの選手がその強風に翻弄され、スコアを崩していく中で、今年の関東シニア2位タイの桜井延秋がイーブンパーの72で首位と2打差の2位、先の日本シニアオープンで3度目のローアマチュアを獲得した﨑山俊紀が3打差の4位タイと2人の実力者が上位グループに食い込んだ。
8時36分と比較的風が弱かった時刻に10番ホールからスタートした桜井は、13番パー5で130ヤードの3打目を9番アイアンで1.5メートルにつけてバーディを先行させると、好調なショットでパーを積み重ね、前半を35で終える。強風となっ
た後半も5番で140ヤードの2打目を9番アイアンで強い追い風に乗せ2.5メートルにつけてバーディ。6番と8番の2ホールで3パットのミスを犯したが、「今日、グリーンを外したのは2回だけ」という安定したプレーでイーブンパーにスコアをまとめた。他の選手を苦しめた強風も「自分の持ち球は低いので、他の選手よりは余裕を持てて」プレーできたのが、好スコアの要因。「ここのグリーンは大きくて、アンジュレーションもある。傾斜を読みきれていないことはあるけれど、2度の3パットは距離も残っていたし、しかたない」と、割り切っている。満足げな笑顔を見せながら「まずは3日間、最後までプレーすることを目標に」と、2位スタートにも謙虚に語った。
一方の﨑山は、苦笑いを見せながら、今日のプレーを振り返る。スタートの10番ホールで8メートルのバーディパットを沈めた﨑山だったが、13番のパー5でリズムを崩してしまった。フェアウェイ真ん中からレイアップした2打目が木の横につく不運もあってボギー。「あれは痛かった」と、悔やむプレーだったが、14番から強まりだした強風の中でも16番でバーディチャンスにつける。しかし、これを決めきれずいまひとつ波に乗れないまま前半を終えた﨑山。後半は一転して苦難のプレーとなった。1番でボギーを叩くと、4番では「低い球を打とうと」した3番ウッドのティショットをミスしてボギー。続く5番もセカンドショットがバックスピンでグリーンを転げ落ちるミスで連続ボギー。7番、8番で連続バーディを奪い溜飲を下げたかに思われたが、最終18番で「もったいない」アプローチミスでボギーでフィニッシュ。「3バーディは全て8メートルぐらい。パットは悪くないのだけれど、4つのパー5で2ボギーとは…」と首をかしげる。「長いパットは入ってくれたが、2メートルぐらいのチャンスが決めきれない。まだアンジュレーションを読みきれていないし、ライン取りが難しい」と、話す。今年の愛媛県シニアと四国シニアの優勝、シニアオープンのローアマチュアに続くタイトルは、グリーン攻略にかかっているようだ。
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