強風の中で最も有効なのは、風の影響を受けないスピン量を抑えた低いショット。この球筋を得意としている桜井が、2日目も安定したショットで76にスコアをまとめて通算4オーバーパーで2位に踏みとどまった。桜井は「ショットの調子がよくて、グリーンに乗せるのに苦労したことはなかった」という通り、1番ホールから8番までスコアカードとおりのプレー。9番を3パットのボギーとしたが、前半は1オーバーパーにスコアをまとめる。後半も14番までパーを積み重ねた桜井は、このまま安定したプレーを続けるかと思われたが、15番で8メートルの距離からこの日2度目の3パットでボギーを叩く。「正直、あの3パットは気落ちした」と、このホールをきっかけに好調だったショットにも狂いが生じ、16番で180ヤードのセカンドショットがグリーンを捉えきれず、17番ではティショットを樹木の後ろに打ち込み、3連続ボギーを叩いてしまった。「2日目が終わったけれど、まだグリーンのアンジュレーションが読みきれない」と苦悩の表情を見せる桜井。「チャンスについてもバーディパットを狙いにいってしまうと、外れたときに傾斜に乗って、ホールから1メートルも離れていってしまう。どうしても、寄せることを第一に考えないといけなかった」ストレスのたまるプレーを振り返る。しかし、首位の真鍋との差は3ストローク。逆転優勝も可能な位置にいる。その話題に触れると、「自分は関東シニア2位タイの成績で充分ですよ」とはぐらかすが、最後には、「明日はティショットの出来が勝負を左右するでしょう。確実にフェアウェイを捉えること。あとは、苦労しているパッティング。最後なんだから、3パットは覚悟してチャンスが来たら強めに打ちますよ。明日は攻めのゴルフです」真鍋とともに初の日本タイトルがかかる最終ラウンドに向けて闘志を見せた。
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