通算1オーバーパーの単独首位でスタートした真鍋高光。「最後は落ち着いたプレーがしたい」といってスタートした最終ラウンドだが、2番でセカンドショットを左にミスしてOBを叩き、5番では3パットのミスを犯すなど、前半で6つスコアを落としてしまう。しかし、後半は一転。10番から15番までパーを積み重ねて、後を追う諏澤との差をなかなか詰めさせない盤石なプレー振りだった。落とし穴は16番。2打目がトップするミスながらグリーンエッジまで飛ぶ幸運を活かしたいところだったが、グリーンエッジからのパットの寄せが強烈な傾斜を上りきれず、下の段に。ここから3パットした真鍋はダブルボギーを叩き、1打差まで詰め寄られてし
まう。それでも、落ち着いたプレーで17番で2メートルのバーディチャンスを迎えた真鍋。ほぼ同じ距離の諏澤がバーディを外したのを見て、慎重にラインを読んで打たれた真鍋のバーディパット。これが惜しくもホールの左を舐めた時点で、勝利の女神は諏澤を今年のチャンピオンに選んでいたのかもしれない。最終18番。果敢にピンを狙った諏澤の3打目がグリーン左手前に外れたのを見た真鍋は、計算通りグリーン真ん中に3オン。しかし、諏澤がチップインバーディを決めると、一転、真鍋は18メートルの距離からいかに2パットで凌いでプレーオフに持ち込むか追い込まれる立場に変わってしまった。上りフックのバーディパットは、1.5メートルもショート。プレーオフ進出か、逆転負けかが決まるこのパーパットは、ギリギリでホールに消えた。プレーオフ1ホール目。既に勝負の流れを失った真鍋はティショットを左に曲げ、左足下がりのラフに。前方には林がありピンを狙いない2打目はグリーン右に外れ万事休した。「今日は、思ったとおりのプレーができたんだけどね…」昨日、杞憂していた雨は最後まで降らず、真鍋にとっては日本タイトル奪取の最大のチャンスだった、本年の日本シニア。本選手権の自己最高順位を更新はしたが、悔しさの残る結果に終わった。
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