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[国際競技]
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JGA National Team Official Supplier |
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【宇佐美がついに18番のトラウマを払拭、悲願の勝利】 |
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<○宇佐美祐樹 1UP ●Ben Wallace>
念願の日本アマを制し、先のネイバーズトロフィーでは個人2位入賞、今回は最年長のチームリーダーとして日本チームをここまで牽引してきた宇佐美。その功績は誰もが認めるところだが、カナダ戦、オーストラリア戦とシングルスでは勝利を目前にしながら18番で悔し涙を飲んできた。日本のマッチプレーチャンピオンを戴冠した者として、このままでは終われるはずもない。そんな圧し掛かる自分自身へのプレッシャーを双肩に感じながら、宇佐美は最後のシングルスマッチに臨む。
対戦相手は、午前のフォアサムで3&2で退けているBen Wallace。フォアサムで1勝2敗と負け越
し後のないニュージーランドチーム。逆転3位を狙って闘志を剥き出しにする挑戦者を、宇佐美は正面から受け止めた。
「前半でリードを奪われるとやはり苦しい展開になるので、前半できちんとしたゴルフがしたい」と話していた宇佐美だが、そんな想いが空回りしたのか、2番、3番、4番と4m以内のバーディチャンスにつけるもなかなかこれを決められずにもどかしいスタートとなった。しかし、5番を両者バーディで分けた次の6番では、残り130ヤードのセカンドショットをピン奥2mにつけ、連続バーディ。ここから宇佐美の流れになるかと思った矢先の7番パー3で、ティショットを左の木に当ててボギーとすると、続く8番でもティショットをバンカーに入れて1ダウンでハーフターン。
ショットが乱れ始め10番でもティショットをバンカーに入れた宇佐美を尻目に、Wallaceはこのホールを2オンからイーグルを奪い勢いに乗る。しかしWallaceも緊張からかプレーが安定せずミスショットで12番をボギーとすると、14番で宇佐美はバーディを奪い追いついた。
しかし、「せっかく追いついてもすぐに獲り返されて、差が縮まらなくて苦しかったです」と、続く15番でWallaceにまたもバーディを奪われる。後のなくなった宇佐美は16番で、ピン奥2mのバーディパットを気迫でねじ込んで残り2ホールでオールスクェア。17番を共にボギーで分けると、宇佐美のプライドをかけた戦いの行方は3日間連続またも最終ホールへ。
「2日間、18番で悔しい思いをしていたので、どんな勝ちでもいい。勝ちたかった」と、日頃のプレースタイルをかなぐり捨てても「勝ち」にこだわった宇佐美のサードショットは、昨日同様にグリーン手前からのアプローチを残していた。2日間図らずもピンの奥につけ、下りのパッティングに泣いた宇佐美は、「奥からオーバーしたら返しは入らない」と肝に銘じて、手前5mに乗せた。このバーディパットはカップの左淵に止まってバーディは逃したものの、Wallaceは宇佐美の気迫に押されたのか3mのパーパットを外し、悲願の1勝を挙げ、宇佐美は破顔一笑した。その瞬間だけは、一瞬ジュニア時代を思わせるあどけなさを覗かせた宇佐美だが、すぐにチームキャプテンとして本選手権を振り返った。
「初めて外国の選手とマッチプレーをしてみて、ストロークプレーとは違った勢いを感じました。リードしていても安心させず、ダウンしていると焦らせる程の気迫は、終盤は特にすごい。その気迫に似合ったショートゲームとパッティング技術は本当に高いですね。それに対して、日本選手は、ラウンド数が少ないと痛感しました。練習場での練習がメインになっている自分たちに比べて、ラウンド中の状況への対応力、実践力は、彼らの方が数段上でした。3位で終わってしまったことは本当に残念ですが、これが今の日本チームの実力であるということを重く受け止め、この経験を活かして、一人一人がもっと強くなれるよう精進していかなければならないと思います。」と、自身10試合目の代表戦となった本選手権をそう締めくくった。
ホールアウト後に一瞬覗かせた屈託のない顔はすぐに影を潜め、名実ともに日本代表の支柱としてまた一回り逞しくなった宇佐美が語る日本チームの歩む道は決して平坦ではない。しかし、JGA国際派遣全競技に出場した宇佐美が、その道を先んじて照らし「チームジャパン」の伝承者として今後も更なる飛躍をしてくれることであろう。
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