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Championship Reports
競技報告
【最終ホールで追いつかれ勝利を逃した大槻】
第3日 競技報告:JGA 写真:JGA
17番で10メートルパットを決めてガッツポーズ
18番でASに追いつかれた大槻
大槻智春 AS Daniel Pearce›

昨日のオーストラリアとの対戦は、フォアサム・シングルスとも勝利を収めた大槻は、3位入賞に負けられない戦いとなったニュージーランドとの対戦も、小平とペアを組んだ午前のフォアサムで2&1で勝利を収めた。その勢いのまま臨んだ本選手権最後のマッチとなるDaniel Pearceとのシングルスは、最終ホールまで勝負がもつれ込む大熱戦となった。

前半、2ホール連続バーディで先行したPearceに対して、大槻は、4番(パー4)でティーショットを会心の当たりで1オンさせてバーディを奪うなど3ホール連続で奪い返し、1UPのリードを奪うと、2人の争いはこ
う着状態に。9番でPearceがバーディを奪い前半をオールスクェアで折り返す。「今日も前半は、相手と競っていて、グリーンを外しても、よく耐えてパーを拾えていた」と、落ち着いたプレーを見せた前半を振り返る。後半になるとPearceが11、12番の2ホールでアプローチミスからボギーを叩き、大槻が2UPとリードを広げる有利な展開に。このまま、逃げ切るかと思われた大槻だったが、勝負ところの16番から18番で世界の強さを実感させられることとなった。

「相手が崩れていって、いけると思ったのですが…最後の3ホールで相手の気合がものすごくて、どこからでもバーディーを取ってくる感じで圧倒されそうになった」と、恐怖にも似た心境を吐露する大槻。大槻にそれだけの恐怖感を与えるほど、Pearceのプレーは鬼気迫るものがあった。16番でバーディを奪って大槻との差を最小にしたPearceは、17番で大槻が10メートルのバーディーパットを外し、パーをセーブすると、3メートルのパーパットを入れ返し、勝負を最終18番までもつれ込ませる。その18番ではPearceのティーショットは、左の林に打ち込むミス。大槻は、このティーショットで「パーをセーブすれば勝てる」と読み、4メートルにパーオンさせた。しかし、世界の強さは、大槻の予想を超えていた。Pearceは、ボギーも覚悟しなければならない状況から3メートルにパーオン。大槻が4メートルを外したのに対し、Pearceはこのバーディパットをねじ込み、このホールを奪い、ASに持ち込んで見せたのだ。大槻は「あの状況でバーディを獲ってくるとは…」茫然自失の表情で、最後のマッチを振り返った。

「2日目と3日目には、悪くないプレーができましたし、成長できたかなとは思います。それにマッチプレーの戦い方も身をもって学べました」と、本選手権での成果を話す大槻。しかし、自分の成長以上に感じたのは、世界との差だった。「海外の選手は、ここぞというときのパットは10メートル以上だろうと、簡単に入れてくる。アジアの選手とは、攻めのゴルフの質と、技術力はまったく違うし、日本とも大きな差がある。ドライバーショットを曲げようが、林の中からでもバーディを獲らなければならない状況であれば、攻めてくる。本当に強かった」2年連続で韓国と台湾の代表選手を相手に戦った大槻。カナダ、オーストラリア、ニュージーランドと世界の強豪との対戦で感じた高い壁を乗り越えるために、これからの日々を過ごしていく。

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