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競技報告
【距離感と風に翻弄され加藤は+13と課題の残るラウンドに】
第2日 競技報告:JGA 写真:JGA
ベルギージュニアチャンピオンと、オランダ女子ジュニアチャンピオンとのラウンドとなった加藤龍太郎(作陽高1年) 。「ホテルの部屋が他の選手とシェアだったり、女子選手と一緒にラウンドするなんて日本じゃ想像もしてませんでした」と、環境の違いに驚きを隠せない加藤だが、「自分のゴルフをするだけ」と緊張した様子もなく、1番ティーインググラウンドに立った。
しかし、7月の世界ジュニアゴルフ選手権で国際競技デビューを果たしたばかりの加藤に、また米国とは全く異なる英国リンクス特有の風とラフ、そしてグリーンが立ちはだかった。
「ショットの調子は悪くないどころか、むしろ良いと思うんですが、縦の距離が全く合わなく
17番でポットバンカーへ
て」と、前半を3オーバーでターンすると、後半も「パーセーブがこんなに難しいなんて…」と10番、16番でもボギーを叩き、17番パー4では残り170ヤードのセカンドショットを、まだ昨日の豪雨の名残のあるグリーン手前ポットバンカーに打ち込む。落ちた場所には水がなかった為、救済を受けられなかった加藤は果敢にもピンに向かっての脱出を試みたが、水を吸って重くなった砂と1.5mの壁に阻まれて1打で出すことが出来ずにダブルボギー。1バーディ・6ボギー・1ダブルボギーの7オーバーパーで第1ラウンドを終えた。

「第1ラウンドでアンダーが出ているのを知って、正直焦りました。でも気持ちは切り替えられたつもりです」と再スタートした第2ラウンド。スコットランドのリンクス特有のグレーの背景と特徴のない景色、体感とは違う風に未だ距離感の狂ったままの加藤は、「アゲンストでは全てショートしてしまっていたので、午後は番手を上げて対応しようと思って…」と必死で巻き返しを図るも、番手を変えていることによる不安がより加藤の感覚を狂わせていった。また、1日2ラウンドのハードなスケジュールにふくらはぎの痙攣というアンラッキーなアクシデントも重なり、徐々に集中力も限界が近づく。2オーバーで折り返した後半ではノーバーディ・2ダブルボギーとこらえきることが出来ずに1バーディ・3ボギー・2ダブルボギーの6オーバーパーと第1ラウンドの遅れを取り戻すことが出来なかった。

「正直グリーンが読めない」と練習ラウンドで不安の残していた加藤は、「今日も全く掴めませんでした。スライスかと思ったらフック、みたいな真逆の場合もあったし、日本のように綺麗なグリーンではないので、微妙にラインが蹴られたりして…」と、グリーン上でもストレスが溜まったようだ。「でも、とにかくショットの距離感です。イメージ通りに打てているのに、そのイメージが景色に騙されていて。数字だけ見ればいいんでしょうが、風も強いのでその分が読みきれていなかったです」と淡々と反省点を挙げた加藤だが、最後に「…悔しいです…」と大きく息を吐きながらこぼした一言に、あまり感情を表に出さない加藤の苦しい胸の内が垣間見えた。
国際試合2試合目となる本選手権、次世代のナショナルチームとしての飛躍が期待される高校1年生に立ちはだかる試練は決して小さくはない。明日の最終ラウンド、日本代表としての加藤のプレーに日本の未来が託される。

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