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ローアマチュアのC.H.Hsieh(TPE) |
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3位で通過した横尾要 |
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第109回全米オープンゴルフ選手権セクショナルクオリファイング(最終予選)が25日、茨城県の龍ヶ崎カントリー倶楽部で行われた。36ホール・ストロークプレーによる最終予選は、2258人のギャラリーが注目する中、D・Smailが通算11アンダーパーで首位、5打差の2位にAngelo Que、6打差の3位タイにSang-Moon Bae、横尾要、甲斐慎太郎の5名が入り、6月18日からベスペイジステイトパーク(ブラックコース)(ニューヨーク州、ファーミングデイル)で開催される本選への出場権を獲得した。なお、注目を集めた石川遼はティショットにミスが出た第1ラウンドで74を叩き、後半70とスコアを戻したも
のの、通算イーブンパーで18位タイに終わり、通過ラインに5ストローク及ばず本選出場権を逃した。
2位に6ストロークの大差をつけて首位通過を果たしたSmailは、2003年大会以来の全米オープン出場。「ショットがとても良かった。本選出場権を得られて、興奮している。前回は良いスコアが出せず予選落ちしたが、今年は頑張りたい」と満面の笑みで抱負を語ると、2位通過のQueも「エクセレント。ここ最近充分な練習ができなかったが、結果を残せて嬉しいです」と喜びのコメント。3位タイで通過したBaeは2週間前のアジアンツアー優勝、先週のSKTelecom OPを制した勢いのまま最終予選に出場。「疲労はたまっていましたが、良い成績を上げられてうれしい」と素直に、喜びを表した。
日本人選手で本選への出場権を獲得したのは、横尾要と、甲斐慎太郎。横尾は、第1ラウンドで1アンダーパーの11位タイと出遅れたものの、第2ラウンドでは前半で3連続を含む4バーディーを奪って一気に順位を上げ、後半も1バーディー・1ボギーにスコアをまとめて、通算5アンダーパーで大利根CCでの最終予選に続いて4度目の本選出場権をもぎ取った。「今日は1ラウンド4アンダーパーでプレーすれば、通ると思っていたけれど、前半で71。後半は66を目指したら、最初のハーフで32が出て、少し余裕が出た。でも、途中からしっちゃかめっちゃかになってしまった」と、出場権を得て、ホッと胸をなでおろした。
横尾とともに全米オープンの切符を手にした甲斐は、昨年の全英オープンに続いて2度目のメジャー出場。第1ラウンドを70でホールアウトして7位タイにつけると、後半のラウンドで2番、3番、4番でバーディー。7番をボギーとしたものの、34でハーフターンして、本選出場に望みを託す。しかし、10、11番の連続ボギーで一時、圏外に順位を落とした甲斐が息を吹き返したのが17番(パー5)だった。215ヤードの2打目を4アイアンで2メートルにつけた甲斐は、これを沈めて起死回生のイーグル。このホールで一気に5位タイに浮上した甲斐は、18番も慎重にパーセーブを決めて、夢舞台への出場権を手中に収めた。「今年は、あまり調子も良くなかったけれど、3週間のオープンウィークで、自分としては珍しく球数を打ち込んで調整してきた。今日も決してショットの調子は良くなくて、苦しいプレーだった」と、激闘の1日を振り返る。ホールアウト後、通過が決まるまでは、「久しぶりに手が震えた」と苦笑いを見せた甲斐。昨年の全英オープンでは、苦しい思い出が多いが、「メジャーは行きたい気持ちが半分。残り半分は行きたくない気持ち。でも、あの雰囲気はやっぱり楽しい」と、まだ見ぬ全米オープンの舞台に思いを馳せた。
2258人のギャラリーの殆どが石川の一挙手一投足に注目した。4月のマスターズを経験し、8月の全米プロへの特別招待が決まっている石川にとって、今年3つめのメジャー出場をかけた1日は、苦しいものだった。昨年、茨木CCで行われた最終予選では第1ラウンドで出遅れ、全米オープンへの出場権を逃しているだけに、今年は前半からロケットスタートを決めたいところだったが、スタートの1番でティショットを右の林に打ち込むと、3打目のアプローチも寄せきれずボギー発進。2番のティショットは左にミスして林の中と、石川の魅力でもあるドライバーショットが不調でスコアを伸ばせない。石川は前半を2オーバーパー・74でホールアウトし、21位タイと今年も出遅れてしまった。後半のラウンドで盛り返したいところだったが、生命線のパー5で2ボギーと最後まで波に乗り切れず、通過ラインに5ストローク及ばず、通算イーブンパーの18位タイに終わった。「第1ラウンドはミスがあったので、打つのをためらってしまったのか、スピードが出せなかった。後半は、それを踏まえてプレーしたのですが、もう少し飛距離を出したいという気持ちが強くなってしまって、体が突っ込んでしまった」と不調の原因を分析した。「メジャー出場のために練習してきたわけではない。マスターズ、全米プロに出場できることはものすごく光栄ですけど、まだまだ目指すものはメジャーではない。自分の取り組んでいる、目の前のものに。1年がんばって、春先のこの時期にピークを持ってこられるように頑張りたいという気持ちになった」、来年の雪辱を期した。
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