今春高校を卒業してプロ転向を志している酒井美紀(いわきGC)(にとっては、これが最後の日本女子アマ挑戦となる。昨年は史上初の3人のメダリストが誕生したが、酒井は、そのうちの一人で優勝候補の一角に名前を挙げられていた。ところが順調にマッチプレーに進んだはずの1回戦でまさかの敗退となった。それだけにラストチャンスに賭ける今大会への思いは強い。
第1日は2アンダーパーの70。「朝からショットの調子がよくて、楽な気持で無理することなくプレーを続けられました」
卒業後の練習量は、高校時代とは比較にならないほど充実している。朝、コースにいってラウンド。ここでは100ヤード以内のアプローチショットを
重点的にチェックして、きっちりスコアメイクを図る。ラウンド後は練習場に直行し、今度はショットの調整。同じリズムで打つこと。そのことに特に気をつけている。練習場の後はジムでトレーニング。帰宅すると自宅地下室にある人工芝のグリーンでパッティング練習。そう、ゴルフ漬の毎日を送っているのだ。
70の内容は4バーディー、2ボギー。「3アンダーできて、15、16番と連続ボギーにしたのが悔やまれますけど、最後をバーディーで締めくくれたので、全体的にいい1日だったと思います」
2年連続メダリストを狙っているのだろうか。
「いえ、それは、あまり、というより、まったく考えていません。それより、最後の日本女子アマで今の自分にできる全てを出し切りたいという気持ちの方が強いですね」
始まりが北海道だった。中学2年生だった。初の日本女子アマは、北海道の札幌GC・由仁が舞台だった。そして、最後の大会が、やはり北海道のツキサップGC。「北海道で始まって北海道で終わる。何かを感じます。日本女子アマで鍛えられてきたという思いもあります。だから、北海道の地に自分の成長の証を刻みたい、なんてちらっと思っているんです」
心残りのないように…。酒井はその思いだけで最後の舞台に立っている。
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