中学3年の時に日本女子アマに初出場し、プレーオフでクォリファイングラウンド敗退を喫して以来、3年ぶりの日本女子アマ出場となった堀奈津佳(徳島CC)。その年の日本ジュニアでも3位に入り、翌年にはチームジャパン・ジュニア、さらに次の年にはナショナルチーム入りを果たし、傍目には順調に階段を登ってきたように見えるものの、各地区アマチュア選手権の中でも特に狭き門の四国女子アマでは思うようなゴルフが出来ずに、2年間、涙を飲んだ。「ナショナルチームメンバーなのに…」そんな思いがどれだけ彼女を苦しめただろう。その重責を跳ね返す為、練習内容の組み立てを考えなおし、メンタル強化に家族で取り組み、筋力トレーニングに
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も人一倍励んできた。そして、今年の5月、念願の四国女子アマでの優勝を果たし、この舞台へ帰ってきた。
「やることはやってきたので、思ったよりも緊張せず、今日はいい気持ちの高ぶりで臨めました。」と、迎えた初日。その思いとは裏腹に、パッティングの不調から出だしの2番、4番でボギーを叩き2オーバーパーでハーフターン。「さすがに焦りましたが、ここまで来るまでにたくさんの人にお世話になってきたことを思うと、絶対にこのままでは終われない、終わっちゃいけない、と思いました。」と、気持ちを切り替えられたことが、苦しんできた分の成長の証であったかもしれない。
10番で短いバーディチャンスを逃すも、12番で残り118ヤード地点からのセカンドショットをピッチングウェッジでピン下3メートルにつけ、このバーディパットを沈めてスコアをひとつ戻すと、14番、15番でもややもするとブレるドライバーショットをカバーするかのように、好調なアイアンショットでぴたりとピンに絡ませ、連続バーディ。最後の18番でもティショットを右ラフに入れ、セカンドショットは出すだけながら、100ヤードのサードショットは狙いすましたようにピン左2メートルに乗せて、バーディ。後半を4バーディ・ノーボギーの完璧な内容で一気に2アンダーパーまでスコアを伸ばし、首位と1打差の5位タイで初日を終えた。
「トップと1打差、ということについては、確かに1番になりたい気持ちはありますが、それを意識すると目の前の一打一打がおろそかになってしまいそうなので…やるべきことはやってきたのだから、今日気がついたドライバーのブレと、パッティングの調整をして、明日はなにより自分自身が納得の行くゴルフが出来ればいい、と思っています。」と、終始謙虚な口ぶりがら、這い上がってきた者の強さを垣間見せた。
1オーバーパーまでに34人がひしめきあう混戦模様の今大会、1打の気の緩みが命取りになりかねない明日の第2ラウンド。堀の真価を問われるラウンドとなりそうである。
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