【準決勝 マッチ29】 ○酒井美紀 3&2 土岐香織(富士C可児C)●
<前半は3ホールで2アップと酒井が好スタート>
「今大会は、どのマッチも落ち着いてスタートを切れている」という酒井が、1、3番と立て続けにバーディを決めて2アップと先行した。3人のメダリストのうちのひとりだった昨年と比べて、ショットは弾道が強くなり、パッティングのストロークもスムーズになっている。二人の選手の影響だという。
ひとりは、昨年大会のマッチプレー1回戦で対戦し、今年も2回戦で同じ顔合わせとなったナショナルチームの比嘉真美子。「キャリーは同じぐらいなのに、トータル飛距離では圧倒されました。彼女の方が低く
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酒井 美紀(いわきGC) |
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戦い終えて笑顔で握手する2人 |
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て強い弾道でした。だから自分もハイボールから、彼女ほどではないにしても中弾道にしたいと思って練習しました。それに合わせてクラブも替えました」。これが、昨年よりも飛距離アップしている理由だった。
そして、もうひとりは2週前にアマチュアとして出場したプロトーナメントのニチレイカップの予選ラウンドで同じ組になった全美貞。「パッティング・ストロークのリズム、タイミングが、すごく勉強になりました」。今大会の安定したストロークにもつながっている。
酒井の2アップのまま、その後は両選手ともミスの少ないプレーが続き、前半9ホールを終えた。
<後半11番で土岐が取り返すも…>
「スタートは、酒井さんの方が自分よりいいスタートを切りましたけど、自分も悪いゴルフではありませんでした。むしろ内容のあるゴルフだったので焦りはありませんでした」という土岐が11番で距離のあるバーディパットを沈めて、ようやくゲームが動いた。酒井の1アップとなって、流れが変わっていくようにも感じられた。しかし、13番パー3で酒井が絶好のショットを放ったあとバーディパットも沈めて、再び2アップと流れを掴みなおした。
そして迎えたドーミーホールの17番。左ドッグレッグしながら打ち上げになる難易度の高いこのホールで酒井が会心のショットを連発した。ティーショットは狭いフェアウェイをとらえ、5番アイアンの第2打もピン奥1メートルにぴたりとつけた。
土岐は左ラフからの第2打を左奥にこぼしてピンチに。「狙いにいった」というアプローチはカップをかすめて2メートルほどオーバー。このパーパットを決めたものの、酒井がバーディを奪ってこのホールもとり、3&1で決着した。
<戦いを終えて…>
★酒井美紀「これが、自分にとっては最後の日本女子アマなので、優勝を狙って臨んできました。幸いなことにゴルフの調子もよく、5月からずっと好調さを維持できています。ショットの弾道調整や、パッティングのストローク調整も順調にこなせてきたし、昨夏から姉(今大会もキャディーをしている)に付き合ってもらいながら続けている毎日1時間のランニングでスタミナにも自信を持てるようになりました。自分のゴルフを振り返って、ですか?ムラがなくなってきていると思います。ここまで、いい内容のゴルフを続けていられるので、決勝でも自分のゴルフに集中していくつもりです」
★土岐香織「自分では納得のいくゴルフができました。勝負の結果はともかく、内容には満足しています。酒井さんの方が、さらに自分よりもいいゴルフをしたということだと思います。11番で長いパットが入って、ひとつ返したときには、このペースを続けていけば、まだチャンスがくるかな…とも思ったのですが、その後も酒井さんのゴルフにはスキがありませんでした。出るようにしてでた結果でしたね。今大会の目標は昨年(ベスト16)よりも上にいくことだったので、その目標も達成できました。明日の3位決定戦も自分のゴルフができればいいな、と思っています」
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