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競技報告
【苦手なコースが丁寧なプレーを生んだ2位タイの阿部】
第1日 競技報告:三田村昌鳳 写真:Gary Kobayashi
今年で3年目の出場となる阿部祐樹(バークレイ)が、68というスコアで2位タイにつけた。阿部は、日大ゴルフ部の4年生。
「出だしの3ホールでは、第2打の距離感があわなくて、必死で寄せて1パットという辛い出だしだったんですよ。なおかつ5番ホールでは、残り200ヤードの距離からユーティリティを使って打ったんですが、これも手前の深いラフ。寄らず入らずでボギー…」おそらく、昨年までの阿部ならば、このままズルズルとスコアを崩していたかも知れない。阿部は、しかし「マッチ(決勝進出)に残りたい」という気持ちが強かった。それに、今年、日大ゴルフ部のキャプテンとなって部員をまとめ、引っ張っていかなければいけない役割となっていた。
5番ホールで、3.5メートル、7番ホールでも奧のカラーから決めてバーディとし、前半を35でまとめた。さらに11番ホールで5メートルを沈め、16番ホールでは12ヤードからチップイン。そして最終18番ホールでも3メートル半を決めて、5バーディ・1ボギー。4アンダーパーでホールアウトした。
「実は、僕にとってこのコースは、苦手なタイプなんですよ。でも、それがかえって自分のゴルフを丁寧にさせてくれたのだと思います」
出だしの3ホールがすべて寄せて1パットと、苦しいスタート。むしろ5番ホールでボギーを叩いて吹っ切れたのだろう。
「気持ちを切り替えてから、ショットもよく振れていたし、(グリーンを狙うショット)で、思っていたよりも短い番手を持てたんです」
8歳のときに、祖母に連れられて始めたゴルフ。「でもその頃は、月に1回ぐらいしかやっていませんでした、初めて試合に出たのは、中学1年のときかなぁ」
マッチに残りたい、という執念と、ゴルフ部キャプテンという立場で、阿部は、自分の集中力を支えるエネルギーとしている。
「マッチプレー、結構好きなんですよ。自分は、気持ちの切り替えが早いほうですから、1ホールごとの勝ち負け、結果が出るというのが、向いているのだと思います。あと1日、しっかりやって是非マッチに進みたいですね」
阿部の眼は、輝いていた。


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