高橋雅也(川越)は、今年の11月に40歳になる。日本アマに出場する選手層から見ると、40代の選手は、15人(10.4パーセント)しかいない。ちなみに50代で4人。圧倒的に多いのは10代選手で65人(45.1パーセント)。20代が34人(23.6パーセント)、そして30代ですら26人(18パーセント)。平均年齢が、25.5歳。言わば、貴重な40代選手のひとりである。
「黙っていても、若い選手に、ドライバーで楽に30ヤード。平坦なところでは、もっと距離は置いていかれます」という高橋が、6バーディ・1ボギーの67で単独首位に立った。
その作戦は、思い切り振り切る飛ばしをやめて、むしろ「7割の力で、フェアウェイに置きにいくように心がけたんです」と言った。それには、伏線があった。2年前、ミッドアマに優勝したときの自分を思い出した。そのときの勝因が、やはり「振りすぎて失敗しないように、という自制だったんです。特に、バーディを獲った後のホールで、それが顕著にでて、大きなミスをする傾向が私にはあったんです。それを思い出して、打ち急ぎや振り過ぎを押さえたんです」前半、4バーディ・ノーボギー。「面白いもので、ほんの少し抑えて、冷静なゲームを続けていると、グリーンに乗っても、比較的易しいラインにボールが落ちるんですね」インに入って12番でバーディをとったあと、すぐにボギーを叩いた。
そのときも、「1つボギーを叩いたからと言っても、焦ることはない。ともかく気持ちを切り替えようと思っていたら、15番でバーディがとれました」
彼は、シャフトメーカーに勤務している。プロトーナメント担当だ。
「自分でゴルフをする時間はほとんどありませんが、プロの選手たちのスイングやパッティングを見ていて、見て盗むということを覚えました。これがイメージトレーニングなんですね」と言った。
パワーが衰えたぶんだけ、智慧を使ったゲームが、好スコアに繋がったのだろう。
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