上位32人によるマッチプレーの最後の1枠に滑り込んだ高柳直人(千葉県アマチュア協会)。1回戦はメダリストの小袋秀人を3and2。2回戦では地元四国の谷本伊知郎(屋島)を5and4の大差で下し、ベスト8入りを果たした。「正直言うと、調子はあまり良くない」と苦笑いを見せた高柳。1回戦の小袋との戦いは、「お互いに調子が悪いと思えた」という。5番で高柳がリードを奪うと直後の6番で小袋が取り返す。7番で再び高柳がリードを奪うと試合はそのままこう着状態に。勝負が動いたのは15番。このホールでボギーを叩いた小袋に対し、高柳がパーをセーブし2up。続く16番では高柳がバーディを奪って粘る小袋を突き放した。「調
子が悪い中で、どれだけしのげるか。1回戦は自分が凌ぎきった形だった」とメダリストを破る殊勲の1戦を振り返った。続く2回戦の谷本戦は、「1回戦以上にショットが荒れてしまった」という高柳。それでも、「キャディを務めてくれている後輩が自分の気持ちを上手く切り替えてくれて」1番で谷本がボギーを叩いてリードを奪うと、そのまま一度もリードを許すことなく逃げ切った。「本当に調子は良くないけれど、踏ん張れている」のが、ベスト8入りの要因。もうひとつ、ベスト8入りのきっかけとなったのは、昨日のプレーオフだったようだ。プレーオフ2ホール目。入れればマッチプレー進出が決まる60センチのパーパットを外し絶好のチャンスを逃して、加藤龍太郎との最後の1枠をかけた3ホール目のプレーオフに臨んだ。このパーパットを外したとき、「イージーミスをしてしまった自分が、とても恥ずかしかった。それが3ホール目のバーディに繋がったし、マッチプレーの粘りにも繋がっている」と話す。東北福祉大4年の高柳は、日本アマに出場していないキャプテンの代行として同大学ゴルフ部からの日本アマ出場者をまとめている。「ここまできたら、優勝したい」2007年の小林伸太郎以来となる東北福祉大勢の日本アマ制覇にも期待がかかる。「優勝すれば、これからの自信にもなる」とその視線の先には、プロゴルファーへの道が見えている。その前に、このベスト8で日本オープンの出場資格も手に入れ、「これからクオリファイングトーナメントも受けたいと思っているし、その前に自分の力を試せる機会を得られたのは嬉しい」と語る。東北福祉大の選手たちの期待に応えるために、また、自分自身の夢の実現に向けて、一歩ずつ歩みを進めている。
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