昨年の日本アマベスト8、日本学生ゴルフ選手権競技を2連覇し、今大会優勝候補の筆頭にあげられていた大田和桂介(日本大)。2回戦までは順当に勝ち上がり、迎えた今日の準々決勝。対戦相手は、大学の後輩で北海道アマ優勝の本間大稀(ユニ東武)だった。前半、太田和が1upとリードを奪い、このまま一気に勝負をつけるかと思われたこの試合。優位に試合を運んでいるかと思われた大田和だったが、その内容は決して満足いくものではなかった。「前半のリードは、相手がミスをしてくれただけ。自分のバーディチャンスは入らないし…」とパットの不調を危惧していた大田和の不安が当たるかのように、10番で本間に追いつかれると、12番では本
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間にバーディを奪われてリードを許す。14番からはお互いに取っては取られての接戦の末、最終18番までオールスクウェアが続いた。その最終ホール。大田和はピン奥2.5メートルのパットを沈め、薄氷の勝利で準決勝に進んだ。準決勝は、権藤紘太(山岡)とのマッチアップ。10番までに3upのリードを奪った大田和だったが、準々決勝からのパットへの不安はぬぐいきれなかった。リードを広げることが出来ないまま迎えた14番。このホールでティショットでOBのミスをした大田和は、15番で2.5メートルを外し、16番では権藤にバーディを決められてズルズルと差を詰められてしまう。17番では権藤が連続バーディを奪って、ついにオールスクウェアに並ばれた大田和は、18番で権藤を突き放す最大のチャンスを迎える。ともに3オンのこのホール。先にバーディパットを打った権藤が外し、大田和は2.5メートルのバーディパットのラインを慎重に読んでいた。「18番のパットは、準々決勝と同じラインでした。良いイメージが出ていたし、入ると思ったのですが…気持ちが入りすぎました」というパットは惜しくもホールの僅か手前でスライスしてしまった。エキストラホールに入ると、既に勝負の流れは権藤に傾いていた。ティショットを左バンカーに打ち込んだ大田和は、3打目のアプローチをピン手前2.5メートル。対する権藤は、ピン30センチにアプローチを寄せて、万事休した。「昨年、準々決勝で宇佐美君に負けて、悔しい思いをした。今年は絶対に決めてやろうと強い気持ちで日本アマに出場したのですが…ここで不甲斐ないプレーをしてしまって」と悔しさをかみ殺しながら搾り出すように語り始めた大田和。「自分がゴルフをするために、たくさんの人に支えてもらっていて…それに応えるプレーをしなければいけなかったのに…申し訳ない気持ちで一杯です」敗戦のショックと思ったようにならなかった自分のプレーに茫然自失の大田和。椅子に腰掛けた大田和は、頭を抱えてうなだれたまま、しばらく動けないでいた。
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