第1ラウンドから首位を走る伊藤誠道(湘洋中学3年)がこの日も2アンダーパー71とスコアを伸ばし、通算8アンダーパーで優勝した。「おととしが8位、去年が2日目に逆転されて2位」と、今年が12~14歳の部で優勝できる最後のチャンスだっただけに「とてもうれしい」と喜びを隠さない。終わってみれば2位に6打差をつける圧勝だったが、一緒に回った「比嘉君がいたからいいゴルフができた」とライバルを称えることも忘れなかった。1打差の2位でスタートした比嘉一貴が1番でいきなりダブルボギーを叩き、差が3打と開き、伊藤の気持ちも落ち着いた。しかし、比嘉はすぐさま2番でバーディを奪い、伊藤はまた気持ちを引き締める。ここ
から2人の一進一退が続く。3番で伊藤がバーディ、比嘉がボギーで2人の差が「4」になる。4番では比嘉がバンカーからチップインバーディを奪い、3打差に縮まる。5番ホールでは今度は伊藤がチップインバーディを奪う。伊藤にとっては、このチップインが大きかった。前日、コース近くのアプローチができる練習場で30分ほど練習をつんだ。
ツアーに出場するようになって、プロのアプローチを見て、その技を習得してうまくいっていたので、技におぼれすぎていて「調子に乗って」いたと反省した。そこで「初心に戻って、シンプルに」打つように修正した。5番のチップインバーディは早速その成果がでた形になっただけにうれしかったようだ。
「日本ジュニア」のタイトルは「重みがあった。結構プレッシャーがかかっていた」とほっとしたようだった。このコースでは10月にアジアアマチュア選手権が開催される。「優勝はそんなに甘いものではなく、大きすぎる目標かもしれないが、言うだけは勝手だと思うので」と笑う。アジアアマチュア選手権優勝者には、マスターズへの出場権が与えられる。「マスターズは自分の中で世界一決定戦だと思う」と夢は膨らむ。伊藤の今後の活躍が楽しみだ。
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