2位と5打差の単独首位。昨日までのプレー振りから、この大差でスタートする福田真未(沖学園高校3年)が、逆転されるとは誰が予想しただろう。もちろん、本人も油断はせずに「自分のプレーをすることだけ」に集中して1番ティインググランドに立った。
今年の福田は、九州女子アマ、九州ジュニア、全国高等学校ゴルフ選手権と3つのタイトルを手にして絶好調。これまで数多くの優勝争いも経験しているだけに、このまま逃げ切るかと思われていた。一抹の不安があるとすれば、「今まで最終ラウンドで一番差をつけていたのが4打。5打差は初めてでした」ということと、過去3度、日本ジュニアで優勝のチャンスがありながら2位に終わって
いたことだ。「緊張はしませんでした」というスタートホール。
パーオンした福田だったが、まさかの3パット。歯車が狂い始めた。2番では3メートルを外してボギー。5番でこの日初バーディを奪って、必死に悪い流れを止めようともがく福田だが、6番で決定的なミスを犯す。「10メートルの下りのスライスラインでした」というバーディパットを外すと、パーパットもオーバー。ボギーパットも外した福田は、まさかの4パットでダブルボギーを叩いてしまう。「6番の4パット…あれで自信を失ってしまった」。7番もボギーを叩いた福田は前半で4つスコアを崩して、優勝争いは混迷を極める。同組の野村と武尾との差も縮まると、4組前でプレーする比嘉もスコアを伸ばしていた。「優勝するためには、通算でアンダーパーにしておかなければいけないと思っていました。だから、後半もなんとかしようとしていたのですが」もがけばもがくほど、福田の苦しさは深まるばかりのようだった。後半も3ボギーを叩き、この日7オーバーパー。最大で最後のチャンスを逸し、3位に終わった。
ホールアウト後、悔し涙を見せた福田。「本当に優勝できるチャンスだったのに…追いかけられる立場にいましたけれど、普通にやれば…」その普通を許してくれなかったのが、「日本ジュニア」という大きなタイトルだった。これまで3度の2位。「欲しいタイトル」を勝ち取るために厳しいトレーニングも積んできたが、その難しさと重さに押しつぶされる結果となってしまった。「自分でゴルフを難しくしてしまいました。フェアウェイも狭く見えたし、そこにしっかりと打たなければいけないと自分で自分を追い込んでしまった」。
今まで以上に悔しさの残る日本ジュニア。この大会で悔しさを晴らす機会は、福田に二度と訪れない。それでも、福田は前を向く。「明日、成田から台湾女子アマに個人派遣で出場します。そこで頑張ります」気丈に語る福田だった。
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