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競技報告
【西村美希がプレーオフを制して初優勝】
第3日 競技報告:塩原義雄 写真:JGA
プレーオフで優勝を決めた西村
ウイニングパット
2日間守っていたトップの座。西村美希(墨田区立寺島中3年)が、その座を明け渡したのは最終ラウンドの10番パー3ホールだった。同じ最終組でラウンドした保坂真由(北本市立東中3年)の猛追を受け、9番ホールの相手のバーディー、自分のボギーで一気に並ばれた直後であった。

ティショットを右バンカーに入れ、寄せ切れずに連続ボギー。ここからの西村は、ちょっと自分を見失ってしまう。「ティショットが曲がり出して、それを立て直そうと、自分のことで精一杯になって…」12、15番もボギーにして「保坂さんと何打差になったのかもわからなかった。負けを覚悟していました」。そんな状態だったため、18番パー5を2打差で迎
えたこともわかっていなかった。「リズムも崩して、きのう姉(有希=プロゴルファー)にアドバイスされた“自分のゴルフをやりとおせ”も守れなかった。だから、最後のホールぐらい、しっかりとバーディで締めくくろう、と思っていました」

3打まで気持ちを込めたショットを続けることができて、チャンスにつけたバーディパットもていねいに沈めた。乱れたラウンドながらも、最後はきちんと自分のプレーができたことで胸をなでおろしていたところに、競技委員から声をかけられた。
「プレーオフだよ」

西村は、きょとんとしていた。最終18番で保坂がボギーを叩いたことでプレーオフになったことにも気づいていなかったのだ。保坂とのプレーオフ。最初のホールは10番パー3だった。ともに1オン。勝負はグリーン上となった。保坂がファーストパットを1.5メートルほどショートさせた。西村も1メートルほど短かった。保坂がパーパットもはずしたあと、西村は慎重に沈めて優勝を決めた。

「ほんとうにうれしかった。跳びはねたいぐらいでした。プレーオフとわかってからは、自分を取り戻していたし、もう一度冷静になっていたので、わけがわからないうちに結果がでていた…という状況を避けられました。決めれば優勝。そのパットにも集中できました」
中学生最後の夏休みに最高の思い出作りができた。

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