今年のナショナルチームメンバーの一員でもある伊藤慎吾(大阪学院大学1年)が4バーディ・ノーボギーの完璧なプレーで単独首位に立った。1番ホールからスタートした伊藤は、3番(パー5)でティショットを左ラフに入れながらアプローチを1メートルに寄せてバーディを先行させると、続く4番もセカンドショットをピッチングウェッジで1メートルにつけて連続バーディ。6番ではサンドウェッジの2打目を50センチにつけて前半で3つスコアを伸ばした。後半の10番(パー5)も1.5メートルの下りのラインを慎重に沈めて4つ目のバーディ。「今日は、ドライバーショットが良くて2打目が楽に打てました」という通りの好調なプレーを見せて
いた。しかし、ホールが進むにつれて気温も上がり集中するのが難しい状況になると、「12番ぐらいから2メートルぐらいのチャンスが決められなくて…」スコアカードとおりのプレーとなった。「あと2つぐらいは伸ばせたと思う」好スコアにも100%満足とはいかなかったようだ。2007年にチームジャパン・ジュニアに選考されて以来、真摯に体力トレーニングに取り組んできた伊藤。中学時代は、アンコ型の体系だったが、今では筋力もつき、アスリート体系に肉体改造も行っている。まじめな性格でトレーニングに打ち込む伊藤だが、プレー面では時にその真面目さが裏目に出てしまい、自分を追い込んでしまっていた。それが、先週の関西オープンに出場した際に同組でプレーした薗田峻輔と立山光広を間近で見て、「あの二人は4日間をいかに戦うのかというのを熟知していた。抜くところは抜いて、決めるところは決める。プレー中も笑顔でリラックスしていた」伊藤にとって、その姿は驚きのものだった。「自分のプレーを振り返ったら、最初からすごく力んでいたのかなって。もっと自然体でプレーして、4日間72ホールでの戦いの中で、今日すべきことを考えた」という伊藤。いわば自然体のプレーが今日の好スコアを生んだ。「明日はパープレーで。いや、今日と同じぐらいのスコアが出せればいいですね」リラックスした表情で、明日以降も今年の日本学生を牽引したい。
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